堺市の変人

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映画「シェーン」

言わずと知れた西部劇「シェーン」、久し振りに観ました。

「シェーン カムバック!」と叫ぶ少年ジョーのラストシーンが有名な名作です。

主演のアラン・ラッドも光っています。名優とまではいかないかも知れませんが、この映画に関してはアラン・ラッド以外には考えられない程のハマリ役です。

 

以前にも2~3回観ていますが、何度観ても納得させられると共に、新しい発見がある映画です。

今回の発見は、地味ですが犬が効果的に使われていると始めて気付きました。

最後の決闘前に町まで駆けて行く少年を追って行く犬の気持ちが、少年の気持ちをそのまま映しているように撮られていて感心しました。

 

派手さを極力抑えたような映像も渋くて素晴らしいものです。

映し出される西部の壮大な風景にも誇張が有りません。

信仰に裏付けられた農家の生活も等身大でこれも嫌みなく伝わって来ます。

西部と言えば馬、格闘シーンでも馬という小道具が効果的に使われています。

 

1953年の作品ですので60年余り前に作られた映画ですが、今日に至るまでこの映画を越える西部劇は少ないように思えます。

今でこそ人権が尊重されネイティブアメリカンと騎兵隊といった映画はもう時代遅れ的な感がしますが、この映画は60年前の映画にも関わらず「ネイティブアメリカン」が出て来ません。

100%現代でも通用する映画が60年以上も前に作られていたというのも新しい発見でした。

 

風景、農民の生活、酒場の情景・・・全て深みのある落ち着いた色調ですので観ていても疲れません。

今回観たのはデジタルリマスタ―版でしたので、もう少し色調がハッキリしているかと思ったのですが、マスターがアナログのせいかデジタルの映画とは違う雰囲気が有るように思えました。

 

昔のアメリカ映画らしく典型的な勧善懲悪物ですが、アメリカ国立フィルムに登録された事でも、この映画の評価は高いようです。

 

実は、この映画の最後のシーン、馬上のシェーンは既に死んでいるという説もあるようです。原作(小説)では成長した少年が風の便りでシェーンが死んだと伝え聞く所で終わっている事からこのような憶測を呼んだのかも知れません。

私には、思い過ごしのような気がしますが! 

後から、色々憶測が飛び交う所が名作の名作たる所以かも知れません。

 

今回は、子役の演技に加え、馬とワンコの演技に感心させられたオッサンでした。