まさか「エルサレム」が!
12月6日、トランプ米大統領がイスラエルの首都を「エルサレム」と公式に発表しました。「まずいぞ!」「何が起こるか分からない!」、私のような者でもとっさに思ってしまいました。
イスラエルは、1980年にもエルサレムを首都と宣言していますが、国際連合は首都宣言を無効とする決議をしています。
なによりも、エルサレムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地、一つの国(宗教)の領土、それを首都と限定すると今まで微妙なバランスで紛争(戦争)を回避してきたこれまでの努力が水泡に帰してしまいます。
まるで、火薬庫のなかに火を投げ入れる行為のように思われます。
アメリカでは、1995年にアメリカ大使館のエルサレム移転を認める法律が議会で可決されています。(実施時期は大統領に託されていたようです。)
歴代の大統領は中東和平に障害が出るという観点から、半年毎に移転実施を延期して来たようですが、12月6日、トランプ大統領が移転手続きを進めるよう指示したものですが、、これはトランプ大統領だけの責任では無いような気がしてなりません。(はっきり言ってトランプはそんなに好きではありませんが)
アメリカの政治に絶大な影響力のあるユダヤ系アメリカ人(大富豪)は、共和党・民主党を問わず選挙資金を初めとする巨額の政治資金を多くの政治家に提供して来ました。
民主主義の象徴ともいえるアメリカもお金で動いているという思いがしてなりません。
もし、今回のエルサレムの帰属問題を起因としたテロや紛争が起こった場合、「トランプが悪い」と大統領に責任の全てを負わせる事は有ってはならない事です。共和党も民主党も20年以上まえに法制化しているのですから。
もう一つ気になる事は、日本が今回のアメリカ大統領の発表に対し、世界にどのようなメッセージを発信するかということです。
アメリカ大使館のエルサレム移転に対し日本が「イエス」or「ノ―」をはっきり表明すべきではないでしょうか?
世界の平和に関わる重大な事態に対し、日本がアメリカに気を使い「当たり障り」のない態度では、やはり日本はアメリカの言いなりという眼でしか見られなくなります。
世界で唯一の「被爆国」日本は、戦争や紛争の回避に向け勇気ある行動をとって欲しいものです。
日本政府が堅い信念を貫けば、たとえ一時アメリカとの関係が悪化しても、必ずやアメリカの国民は日本を理解してくれると信じます。
日本という国が世界から信頼されるかどうか?日本の行動が試されています。