ヒアリ騒動
「ヒアリ」が日本の港で!
国土交通省は主要な港に「ヒアリ」が居ないかの調査を求めているようですが、一抹の不安が残ります。
先日、NHKで「増殖中!アリ 大地を支配!毒針の脅威」という番組が放送されていました。
「ヒアリ」は南米アマゾンが原産ですが、物の移動に伴い今ではアメリカ合衆国、中華人民共和国、フィリピン、台湾、タイ、オーストラリア等に生息地が広がっているようです。
猛毒を持ち攻撃性も高い事から人への影響が心配されていますが、アメリカでは農業を中心とした経済的な損失が大問題となっているようです。
年間の被害が数千億円!とも言われています。
不思議な事に原産地のアマゾンでは天敵などのため「ヒアリ」だけが増えるということが無く問題は無かったようですが、人間が天敵の居ない場所に「ヒアリ」を運んでしまった事がそもそもの原因となっています。
今では、北米にアマゾンの5~10倍のヒアリが生息していると言われています。
「ヒアリ」は特別なのでしょうか?
ある生物学者は、気候変動が激しい今日、このような外来種の繁殖は一般的な事だとも主張しています。「外来種の繁栄と既存種の滅亡」は今日まで繰り返し行われてきた事で珍しくは無いようです。
しかし、放置しておけば日本でも年間数百億~千億円の被害が予想される大問題です。いくらお金が掛かっても水際対策を徹底すると共に、国民への周知を十分に行う必要が有ります。「セアカゴケグモ」よりも事は重大です。
番組の最後に流れたフロリダ大学の生物学者の言葉が印象的でした。
「ヒアリの増殖は人間社会に被害をもたらします。一般的に害虫とみなされる事は仕方がない事でしょう。・・・しかし害がある生物とみなし駆除するのは、あくまでも人間側の都合です。ヒアリそのものは悪でも何でもない。・・・人間によって与えられたチャンスを上手く生かしているだけです。」
ひょっとして、各地で自然を破壊している私達人間の拡散の方が地球にとっては、より大きな脅威と言えるのかな?