堺市の変人

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ソフトランディング

 五木寛之の「下山の思想」、友人の紹介で読んだ本ですが内容はほとんど覚えていません。しかし、何時までも心に残っていました。

 五木のいう「下山」は、只山を下りるという事では無く成長期(発展期)を過ぎれば人間でも社会でも必ず下山というものが待っているといった内容だったように思います。

 今や日本が学ぶべきは、先進国では無く既に下山した国々、ギリシャやイタリア・スペイン・英国や下山中の国、アメリカであると言っています。(アメリカは偉大なアメリカを取り戻すといって下山に戸惑っていますが?)彼の「私はそれに対して、はっきりした答えをだす自信はない・・・」という正直な言葉に好感が持てます。

 わが国も現在1億3,000万人弱の人口が今後100年で5,000万人台になるという総務省の統計が出ています。勿論、子育て施策や移民政策で多少の変動は考えられますが、無事に下山を考える時期に来ているような気がします。当然人口が半分になれば施設も物も半分しか要らないようになるのでは?

 無理して成長を追い求めようとすれば、海外に活路を求めて行くようになるかも?植民地時代に逆戻りです。「成長」「成長」では限界が来てしまいそうです。経済規模が大きい程、困難さも増して来ますが50年先、100年先を見据えて「ソフトランディング」を考えて行く時期が来ているような気がします。

 私達に痛みを伴う事であっても、争い(戦争)を最小限に抑えられる「ソフトランディング」の道を真剣に模索して行く事が大切では?