「IWC脱退」?
日本が国際捕鯨委員会(IWC)から脱退するという方針が明らかにされています。
1951年に加入以来、67年の時を経て世界の枠組みから離脱する事になりそうですが、手放しでは喜べない複雑な気持ちです。
IWCは、鯨産業の秩序ある発展を目途に設立されましたが、今では神経質なまでの環境保護を唱え日本の食文化を全く否定したようなIWCの昨今の動きには異議を唱えるのは当然の事です。
しかし、日本の主張は2014年に国際司法裁判所から退けられています。
世界の動向が捕鯨禁止、鯨を守るという方向に動いている今日、捕鯨は日本の食文化というだけでは他の国々の理解を得るのは難しいようです。
勿論、IWCの運営そのものに注文をつけたい思いは十分にありますが、日本の思いと世界の趨勢は大きく違ってきています。
私自身、「ハリハリ鍋」は大好物です。でも、今では高くて食卓にあがる事はありません。
昔と違い今では、めったに口に入らない高級食材です。
という事は、どうにか我慢すれば鯨無しでも十分に生きていけそうです。
昨今、アメリカのトランプ大統領は、「アメリカ第一」にそぐわなければ躊躇なく国際的な枠組みからの離脱を表明していますが、この事が「世界の秩序維持」にどれだけ不安要素を醸し出しているかを考えると、私はIWC脱退はもっと慎重に考えるべきだと思います。
一部の政治家が強硬な意見を崩していないようですが、国民世論を慎重に見極めるべきです。
そもそも、庶民の多くは「鯨料理」なんかめったに口にしません!
「IWC脱退」が多くの国民の意見と思い込むのは危険過ぎます。
1933年、我が国は、日本が建国した「満州国」が国際的に認知されなかった事から当時の国際連盟を脱退しました。
それ以降、経済封鎖もあり日本は結果として戦争への道を突き進んでいった歴史があります。
「悪法も法なり」、ソクラテスの言葉と言われていますが、ルールは皆で決め、決まったルールには従う事も必要です。
少なくとも、アメリカと違い日本が世界の秩序を壊すような事だけはして欲しくありません!
打撃を受ける「鯨産業」の対策を論議する方が先のような気がします。
「アメリカの次は日本か」、そんな言葉は聞きたくありません!