「絶滅」は他人事?
「わけあって絶滅しました。」(ダイヤモンド社)、書店に平積みされていました。
手に取ってページをめくると、「今まで地球上に生まれた多くの生き物のうち99.9%の種が絶滅している」という件が目に入り思わず買ってしまいました。
地球が生まれて46億年、生命の誕生が40億年前と言われています。
私たちの属する新人類が地上に現れたのが20万年前ですので、2億年前に現れた恐竜が1億5000万年もの間繁栄した事を考えると、人類はほんの最近地上に現れた新参者のようです。
種が絶滅する最大の理由は、隕石の落下や火山の大噴火等による地球環境の激変ですが、6600万年前の隕石の落下により地球上の生き物の70%が絶滅したと言われています。
私たち人類も、徐々にやって来る寒冷期(氷河期)なんかには、なんとか工夫して生き延びる術を見付け出す可能性もありますが、急激な環境の変化には対応出来ません!
人類は、たかが20万年という短い期間生き延びているだけで、この地球に永遠に生存できるという幻想を抱いているに過ぎないのかも知れません。
土地の所有とか富(お金)とか、訳の分からない事に忙殺されている日常生活の意味を考えてしまいます。
「無」という事と真剣に向き合った昔の禅僧は、現代のような科学的な知識は無いものの、人間の本質(弱さ)を看過していたのでは?
そんな事を考えさせてくれる一冊でした。
絶滅していない0.1%の中に、古生代から生き続けている「オウムガイ」が居るようです。
5億年以上も生き続けているのですから、生命の最も大切な役割「種の存続」という事については、人類より数段上です。
地球の長い歴史の中では、「絶滅」というのは珍しい事では無いようです。
「一つの種」の絶滅と「残った種」の繁栄、この繰り返しの結果が今の生態系となっています。
恐竜という絶対王者が滅びたおかげで細々と生き長らえてきた「哺乳類」ですが、今は人類が食物連鎖の頂点に君臨しています。
でも、人類の地位も何時吹き飛んでしまいかねない危うさを持っているようです。
「種の存続」という観点からは、明らかに人類よりも「オウムガイ」の方が優れています。