「故郷へかえりたい」
ジョン・デンバーが歌う「故郷へかえりたい」(カントリー・ロード)は、1971年に発表され、ビルボードで全米2位、日本でも大ヒットした名曲です。
「ロッキー・マウンテン・ハイ」、「太陽を背にうけて」、「緑の風のアニー」・・・
ジョンの歌はアメリカの豊かな自然を背景にしているようで、聞いていて爽やかな気がします。
実はこの「故郷へかえりたい」は、彼の作詞・作曲ではありません。
ビル・ダノフがタフィー・ナイバートの詩に曲を付けたもので、ジョン・デンバーが一部歌詞を替えて歌ったものです。元々の詩はヒッピーの手紙が起源のようです。
三人共、ウェスト・バージニア州に行った事が無かったというのは驚きです。
「カントリー」かな?「フォーク」かな?といった曲調は、若かった私の耳に新鮮に響きました。
この曲のヒットにより全米で活躍するジョンですが、正に「故郷にかえりたい」がターニングポイントでした。
今では、作曲家や作詞家が売れる歌をつくり歌手に提供するのが一般的ですが、シンガーソングライターのジョンが歌う曲は、歌い手の心情がダイレクトに表現されています。
第一、彼の服装からしてウェスタン基調の生粋のアメリカンスタイルです!
忘れてはならないのは、彼がこよなくアメリカの大自然を愛し、アメリカという国を愛していた事です。
ジョンの「故郷にかえりたい」がウェスト・バージニア州の洲歌に、「ロッキー・マウンテン・ハイ」がコロラド州の洲歌になっている事からも、いかに彼が「アメリカンスピリット」を掴んでいるかが窺えます。
真の愛国者だったジョンは、1997年に飛行機事故で亡くなっていますが、アメリカをこよなく愛したジョンが生きていたら、今のアメリカをどのように論じるのか興味が付きません。
存命中も戦争やその他に強く意見を述べていたジョンですので、苦言をていした気がしてなりません。
半世紀前に作られた「故郷にかえりたい」、全く新鮮さを失わず耳に響いて来るのは嬉しい事です。