堺市の変人

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津軽三味線「高橋竹山」

和楽器の中でも「津軽三味線」と「和太鼓」は、特にパワーを感じる楽器です。

今、聴いているのは「高橋竹山」の津軽三味線、三味線の中でも特に音量の大きい津軽三味線は日本人の心に素直に響き雪国の厳しい生活を物語っているようです。

 

私には、この津軽三味線は雪の津軽で聴くのがピッタリのような気がします。

大きな洒落たホールで鳴っていても、なにかちょっと似合わないような気がしてなりません。(ホールで聴けるだけでも幸せなのは分かっていますが・・・)

 

竹山は、17歳頃から東北・北海道で門付け(各家の門口に立ち金品を受け取る)をしていたようですが、この門付けは民間信仰に端を発した津軽三味線の原点といった感じがします。

 

1963年に、日本で初めて津軽三味線独奏のLPレコード「源流・高橋竹山の世界」を録音しています。(勿論世界初です)

1986年には、アメリカのニューヨーク、ワシントンDC,ボルチモア、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ホノルル等で公演を行っていますが、辛口のニューヨークタイムズが「まるで魂の探知機でもあるかのように、聴衆の心の共鳴音を手繰り寄せてしまう。名匠と呼ばずして何であろう」と最高の賛辞を送っています。

 

一般の三味線とは違い、津軽三味線は太棹を使い撥(バチ)を弾くのでは無く叩きつけるような演奏が特色のようですが、どちらにせよ津軽では昔、「身体を使って汗を流して働く商売でない。」として各地を転々とし男性視覚障害者の門付け芸は軽蔑される風潮があったようです。

恥ずかしい話ですが私にも、小さな頃に村々を大道芸人が回っていた記憶が有りますので見下したような感覚は理解出来ます。

 

高橋竹山」の音は、ただの練習から生まれたもので無く、厳しい時代と厳しい生活の中から生まれて来ていますので、ビジュアル化された今の津軽三味線とは違う音を感じてしまいます。(多分思い込みだと思いますが)

 

黒の紋付と袴で微動だにしない彼の三味線は他の追従を許さないような気がします。

生きて来た背景が違うのですから!