無くなる「本屋さん」
家内が本を読んでいました。それも漫画ではなく小説だったので少し驚きました。
家内は最近、タブレットでネットばかり、本とは縁の無い生活していました。
以前はよく小説を読んでいたのですが、タブレットを持つようになってからは、本を読んでいる姿を見かけた事はあまり有りません。
しかし、先日タブレットを持たずに出勤、たまたま通勤カバンの底に入れてあった短編小説集を電車の中で読んだようです。
読み始めたら最後、どんどん話に引き込まれ職場に到着しても始業までの間、昼休み、帰りの電車内、と読み進んでしまったようです。
タブレットも動画を観たりする訳ではなく、もっぱらニュースやブログなどの記事を読んでいるのだそうですが、やはり目が疲れるのもあってネットで小説を読む気にはならないとの事です。
今では電車でスマートフォンやタブレットを見ている人が圧倒的に多いですが、中には単行本を読んでおられる方も少ないですが見受けられます。(スマートフォンで小説を読んでいる方や勉強している方も居られます)
スマートフォンやタブレットが悪いという訳ではありませんが、私なんかは、やはり通勤・通学電車の中での空き時間は「新聞か本」という感覚の年代です。
家内がネットで小説を読む気にはならないもう一つの理由が「小説を読んでいて紙をめくる感覚が無いとなんか変」というものだそうです。
分厚い単行本を読み進めていって、ページをめくった時に読み終わった紙の厚さを見ては「あぁ、ここまで読み進んだ」という感覚(読破感?)は本でしか味わえないのだと言います。
近くの駅前で何十年も営業していた本屋さんが4月一杯で閉店予定です。
以前は、電車に乗る人下りる人がひっきりなしに出入りしていて混んでいた店が、最近では立ち読みする人の数もめっきり少なくなって閑散としていましたから、仕方のない事です。全国的にも本屋さんの数が減っていると聞きます。
ネットで居ながらにして本を購入出来る時代ですので、本屋で立ち読みなんて事は昔話になってしまいそうです。
目的も無しに本屋に並んでいる書籍を眺め、時間を潰していた頃が無性に懐かしく思い出されてきました。
ネットにはない本の魅力、沢山並んだ本の中から見つけた一冊が今でも本棚に残っています。忘れられない本もあります。もう一度読もうと思っている本もあります。
本棚を見れば自分の辿ってきた道が思い出されます。これから行く道も見えて来ます。
ネットには無い本の魅力、今一度見直してもらいたいものです。