「駅馬車」
監督ジョン・フォード、主演ジョン・ウェインのコンビとなれば、「観なくては」という思いに駆られ何度でもみてしまいます。
1939年に制作された映画「駅馬車」は、黄金コンビの代表作、何回みても飽きません!
何といっても映像が綺麗、一画一画を大切にしていますので、どの場面を切り取っても「絵」になっています。ジョン・フォードを黒沢明が尊敬するのも分かるような気がします。
そして人物描写が絶妙です。一人一人の登場人物の性格が鮮やかに描き出されていますし、無駄な役所なんて一切ありません。
ジョン・ウェインの映画名中では、96分と短い方ですが、映画の要素、西部劇のエキスが「ギュ」と凝縮されているようで「西部劇の中の西部劇」といった感が有ります。
私なんかは、西部劇にジョン・ウェインさえ出ていれば「OK」といった輩ですが、この映画に出演するまで彼はB級俳優だったとは信じられません。
当時の西部劇の製作費は$100万~$200万(黄色いリボンで$185万)ですが、「駅馬車」の製作費は約$53万です。それでいて、アカデミー賞2部門、ノミネートは5部門には驚かされます。
同じ年に公開された、製作費が$390万の「風と共に去りぬ」が13部門にノミネートされ、8つのアカデミー賞を獲得していますが、燃費の良さは断然この「駅馬車」です!
(私は、「風と共に去りぬ」は観ていません。)
何と、この映画「Stagecoach」の邦題「駅馬車」を考えたのが、有名な映画評論家の淀川長治だったとはビックリです。
80年近く前の映画ですので原盤は無くなっていたようですが、幸いにもジョン・ウェインが一本ポジティブ(リバーサル)フィルムを所有していた事により、今でも観ることが出来たらしいです。
この映画がデジタルでは無くフィルムで上映されるような事があったら、何を置いても飛んで行きます。
ただし、白黒・字幕スーパーの条件つきですが!