「戦術核」?
米国のトランプ大統領は、核戦略の見直し(NPR)を発表し爆発力を抑えた小型核兵器の開発を打ち出しました。
「核なき世界」を目指しノーベル平和賞を受賞したオバマ前大統領の路線をことごとく否定しているトランプ大統領ですが、短距離の戦術核を多数配備しているロシアや核兵器の開発を止めない北朝鮮などを意識した「必要なら核を使うぞ!」といった抑止効果を狙っているようです。通常兵器やサイバー攻撃にも「核で反撃するぞ!」といった方針もあるようです。
今日まで、トランプ大統領はオバマ前大統領の政策をことごとく批判し、「オバマとは違う」という強い大統領を演出し支持を集めて来ましたが、こと核となると話は別です。
今までも強力な戦略核を使えば、世界的な被害が出て当然米本土にも放射能等の被害が及ぶ事から使う事が難しいという論議もされてきましたが、トランプ大統領は秋の中間選挙を意識し支持率を高めるために小型核兵器を使用する可能性が有ると指摘されています。
相手国の都市を狙った大型の戦略核兵器と違い、戦術核は戦闘地域に限定して使用されるため、小型で爆発力は小さいと思いがちですが、広島に投下された原爆よりも爆発力は大きいようです。
大型の戦略核と同様に小型の戦術核でも核抑止力が働くので、「むしろ核使用の敷居が上がる」と言った日本の政治家も居るようですが、私には、「任侠映画」でドスを机に突き立てて凄むヤクザのシーンが浮かんで来てしまいます。
「核兵器」を交渉(脅し)の道具に使う事は極めて危険です。
小型核が戦場に配備されれば、使用される危険性もはるかに高くなってしまいます。
唯一の被爆国である日本は、こと「核」についての軽率な発言については、はっきりと「ノ―」と言って欲しいものです。