堺市の変人

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マルタ・アルゲリッチ

マルタ・アルゲリッチのピアノ演奏を聴いていると、たまに「ハッ」としてしまいます。

彼女の演奏は、感情のおもむくまま自由に演奏しているように思いますが、堰を切って感情が溢れだす時は凄いです。

 

楽譜より自分の思いが先に立った彼女の演奏に触れると、他のピアニストの演奏が余りにも型にはまっている(楽譜に忠実)いるように感じてしまいます。

 

多分、彼女の激しい性格(歳と共に丸くなっているようですが)から来るもののようですが、天才肌の演奏は、時々、想定を越えた音を鳴らしてくれますので、刺激度満点といったところです。

 

ル―ビンシュタインがバレンボィムと共演したベートーベンの「ピアノ協奏曲5番」、ホロヴィッツトスカニーニ共演のチャイコフスキー「ピアノ協奏曲1番」、バックハウスのベートーベンの「ピアノソナタ」、リヒテル・ヴィスロッキのラフマニノフ「ピアノ協奏曲2番」・・・歴史に残るような名盤が沢山ありますが、最近はアルゲリッチにはまっています。

 

ショパンコンクールの審査員であった時、あるピアニストが本選に選ばれなかった事に抗議し「だって彼は天才よ!」と帰国した話は有名ですが、来日時に指揮者と喧嘩し、さっさと国に帰ってしまうなど何かと話題の多い人ですが、型にはまった優等生で無いからこそ「ハッ」とさせる演奏を聴かせてくれるのかも知れません。

 

彼女は、日本との繋がりは深いようです。別府では毎年「アルゲリッチ音楽祭」が開催され1970年以降、幾度も来日しています。私は聴きに行こうとは思いませんが!?

 

余りにも若い頃の演奏が凄く、その印象を大切にしたいです。

骨折で長期入院していた母に付き添っていた事がありますが、退院して一息、

その時聴いたアルゲリッチの「ショパン、ピアノ協奏曲1番」、涙が止まりませんでした。