いよいよ「春」
「鉢植えの 枯れた古木に 一輪の梅」
我が家にも、梅の鉢植えがあります。
どこから来たのか覚えていませんが、結構大きな鉢の梅は、毎年花を咲かせ春の訪れを知らせてくれます。
といっても、手入れをしていませんので勝手に花が咲いているといった状態です。
もう少しこまめに水やりをすれば良いのですが・・・
幾らなんでも今年はもう咲かないと思っていましたが、温かくなり可憐な花を咲かせてくれました。
梅の花が咲くと、そろそろ「ダウンやコート」もクリーニングといった気持になります。
天気予報よりも、梅の花の方が確実に「春」の訪れを感じてしまいます。
桜と並んで日本の四季を彩る梅の花ですが、意外と梅の木の選定は難しいようです。
「桜伐(き)る馬鹿、梅伐(き)らぬ馬鹿」という言葉があるように、桜はむやみやたらに伐ると切り口から腐食することがあり、剪定には注意が必要ですが、梅は剪定に強く、切り詰めないといけないようです。
そんな訳で我が家の梅は、枯れ木とおもんばかりの状態ですが、今日、気になって覗いてみたら花が一輪、春を告げていました。
「東風(こち)吹かば にほひおこせよ梅の花 主なしとて 春な忘れそ」
菅原道真が太宰府に左遷される時に、庭の梅に別れを惜しんで詠んだ歌ですが、梅の花は、桜の華やかさにに比べ、清楚な哀愁を持っているようです。
日本を代表する花は、菊と桜ですが、私は梅の花に心を引かれます。
光琳の「紅白梅図屏風」を観ると、古木に咲く紅白の梅が「侘び寂び」にも通ずる清楚な美しさを持っているように思われます。
そうそう、冒頭の「鉢植えの・・・」は、恥ずかしながら私の句です。
「ちょっと一句」そんな気分になってしまいましたので仕方がありません。