堺市の変人

堺市から情報を発信する変人親父です

日本はペット後進国!

先日、NHKの「家族になろうよ」という新しい里親を探すために保護犬や保護猫を紹介している番組を放映していました。

この番組は、ドイツの放送局が行っている犬・猫の里親探し番組を参考にして制作され、前回は去年の5月頃に放映されていました。

時間帯を分けながら合計6時間もの枠をとって放送されていますので、NHKも結構力を入れているようです。

 

ただ、番組の中で有識者の方が「以前は、保護センターと言えば動物を処分するところというイメージが強かったのですが、最近では譲渡数がものすごく増えており、動物を保護する所となってきています」と言った事をおっしゃっていました。

しかし、これは自治体によって大変な温度差があり、たとえば神奈川県などでは「殺処分ゼロを達成」などと報道されていますが、兵庫県では保護された犬・猫のほとんどが一般譲渡される事が無いと共に、保護団体への引き渡し数も大変少なく、かなりの数を殺処分していると聞きます。

 

そういった現実もあるのに「最近の動物保護センターは動物を譲渡するところです」などと、テレビに出ている人が言ってしまうと、犬を飼いたく無くなった人が安易に「じゃあ家の犬も保護センターに持って行って里親さんを見つけてもらおう」という事にもなりかねません。

 

また、広島や神奈川が達成したと言っている「殺処分ゼロ」というのも私はあまり信用していません。

環境省は、保護した犬・猫を「① 譲渡することが適切でない ② 譲渡することが適切でない以外の処分 ③(愛護センターに)引き取り後の(病気等で)死亡」の3つに殺処分を分類しています。

今、自治体が目指しているのは、「② 譲渡することが適切でない以外の処分」をゼロにしようとしているだけです。

譲渡できた可能性が高いのに殺処分された数を問題視し「ゼロ」にしようとしているのみです。

 

しかし、「①の譲渡することが適切でない」に分類される犬や猫は、本当に譲渡することが適切ではないのでしょうか?

適切ではないと聞くと「狂暴な犬」「人間に噛みつく犬」「野良の仔で人馴れしない」と思われる方も多いと思いますが、以前我が家で預かった保護センターからの1歳未位の雑種は、「少し甘噛みをする傾向にある」というだけで殺処分の対象になっていた犬です。

 

実際、その犬を預かってみると、大変元気で愛想のいい可愛い犬でした。

まだ、仔犬っぽさが残っているので、ふざけて甘噛みの真似をしたりしますが、ちゃんと加減がわかっているのか全く痛くありません。

それでも甘噛みをする動作が「適切ではない」と判断されて「殺処分」の対象になってしまったようです。

今、預っているのは「野良の人馴れしない仔」ですが、この仔も殺処分対象でした。

 

きちんと「躾」をしてやると甘噛みは収まり、今は大事にしてくれる飼い主さんの元で元気に幸せに暮らしています。

野良の仔でも、今では飼主に甘えてきます!

 

ドイツの動物保護施設「ティアハイム」では、問題のある犬でも「躾」をし、問題行動を矯正して新しい飼い主さんに譲渡しています。

日本の犬でそれが出来ない筈がありません!

 

勿論、今のままでは、イヌを矯正するような余裕が愛護センターに無いのは十分に理解出来ますが、政府が動物愛護の精神を十分に理解し、本腰を入れて取り組めば出来る筈です。

 

直接「お金」を生み出さない施策ですので、政府にも政治家にも積極的に取り組む姿勢が未だ皆無のように思われますが、「金儲け」に繋がらない取り組みが充実している欧米の動物愛護体制を目にすると「懐が深い」と感心させられます。

少しは、日本も見習って欲しいです。

 

少し甘噛みをする程度の犬でも「殺処分対象」にして殺しておいて、殺処分が減ったと喜ぶのは数字の誤魔化しでしかありません!

NHKは、そういった現状も含めてきちんと真実を伝える番組を作ってもらいたいものです。

 

ただ、今までは犬・猫の可愛さだけを強調したような番組しか放映してこなかったテレビ局が里親を探そうといった事に力を入れだしたというのは大きな前進です。

出来れば年2回とかではなく、短い時間でもいいから週一回、継続して放映すれば、もっと里親が見つかる犬・猫が増えるような気がします。

 

ドイツでは、既に定期的にテレビを使い里親募集を行っているようですが・・・