堺市の変人

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「安田純平さん」解放

11月23日夜、風呂に入っていると家内が「11時から菅官房長官の緊急記者会見やて」という情報、最近、録画していたNHKスペシャル「南海トラフ巨大地震・・・」見たところでした。

21日にも千葉県で震度3、22日も福島県沖で震度4と毎日のように地震情報が入ってきますので、「緊急会見!大地震?」といった思いが頭をよぎりました。

 

会見の内容は、国際テロ組織に2015年に拉致され拘束されていた「安田純平さん解放」という嬉しいニュースでした。

当初、シリアへの不法入国や過去にも幾度かシリア等に拘束されていた事から、「自己責任論」が一部で報道されていました。

 

しかし、信条や主義・主張、利害関係が複雑に絡み合った地域紛争の中に合って、想像を絶する環境で生きている人々の真の姿を世界に発信し、真実を明らかにするというジャーナリズムの姿勢から安田さんの行動に理解を示す論評が多いようです。

 

私自身、安田さんが生きて帰国されたという事については、「良かった!」と心から安堵しましたし、ベトナム戦争でナパーム弾から裸で逃げる少女のように報道写真が世界を動かし平和と民主主義に大きく貢献している事を思うと、勇気を持って正義を貫くジャーナリストに心から敬意を抱いています。

 

只ひとつ気になる事は、今回の安田さんの解放には「カタールが身代金を払ったのでは?」というニュースが流れてる事です。

日本政府は「テロ組織には屈しない。再発防止のためにも身代金は絶対に払わない」という姿勢を貫いてきました。

拘束された人には誠に酷ともいえますが、私には日本政府の方針が筋の通ったものに思われます。(私が拘束されたら身代金を払ってくれ!と叫んでしまいますが)

 

カタール政府の行動は、この日本政府の方針を骨抜きにしてしまいそうな気がしてなりません。

一説には、カタールはこれまでシリアの過激組織に資金提供をしていましたが、世界各国の非難が高まる中、直接の資金提供では無く「身代金の支払い」という形で過激組織に資金を回しているとか、将来の日本からの投資等を期待し日本に恩を売っているといったニュースもります。

 

これからも色々な憶測が流れる事も予想されますが、問題は身代金が支払われたのか?という事に尽きます。

日本人渡航者を守るためともいえる「身代金は支払わない」という政府の基本姿勢が実効力の無いものになってしまいかねません。

「日本は支払っていません」だけで済まされる事ではありません。

 

もし、何億円という資金が過激組織の手に入ると、武器の購入、戦線の拡大や長期化に繋がる恐れがあり、結果として多くの民間人の命が奪われるといった事にもなりかねません!

日本政府が払わなくてもどこかの国が身代金を払ってくれるとなると、日本人が拉致される危険性が今までよりも高まってしまいます。

 

ジャーナリストの勇気ある行動が、結果として過激組織を利したようで複雑な気持ちになってしまいます。日本人の拘束という問題は解決しましたが、同時に新たな問題が発生しています。

国の過激組織に対する基本方針が問われています。