堺市の変人

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アヴェデ―エワのショパン

ロシアの「ユリアンナ・アヴェデ―エワ」は、少し気になるピアニストです。

第16回(2010年)ショパンコンクールで、アルゲリッチ以来45年振りに女性ピアニストが優勝した事で話題になりました。

今、私が聴いているのは、2010年10月に録音された「第16回ショパン国際コンクールライブ」盤のピアノ協奏曲第1番、ショパンコンクールで必ず演奏される曲です。

 

さすがに優勝者だけあって音の粒立ちも良くピアノの弦も良く響いています。良く耳にする美しくコロコロした音とは違う、厚みのある音色は聞き応え十分といったところです。

 

同曲のアルゲリッチ(ピアノ)・ラヴィノヴィチ(指揮)盤(1999年録音)と聴き比べると、アルゲリッチは天才独特の感性で自由奔放に演奏していますが、アヴェデ―エワのピアノには奔放さは感じられません。しかし、彼女の演奏にはアルゲリッチには無いチャーミングな音色が有り女性らしさを感じます。(あくまで比較論です)

 

ショパンのピアノ協奏曲第1番が男性的な曲のように思えますので、この曲を弾きこなせるだけでも凄い事です。

第一、ピアノ協奏曲を演奏出来るピアニストというだけでも本当に凄いです。

ソナタならピアノだけ、三重奏・四重奏ならどうにかなっても、オーケストラをバックにした協奏曲となると話が違います。

 

ショパンの協奏曲は、前奏が長い事でも有名です。この協奏曲第1番はピアノの第1音が鳴り響くまで約4分、いつピアノが鳴るのか気長に待つしか無いような曲ですが、待たされる分、ピアノの音が鳴った時の感動はより大きくなります。

 

この1音からして男性的な印象の曲です。さすがアルゲリッチは最初の1音で会場を支配するような力強さを持っています。(別格のようです)

アヴェデ―エワの第1音はアルゲリッチ程の迫力は感じません。しかし、彼女の方が楽譜に忠実な気がします。

 

アルゲリッチの天才が醸し出す意外性と驚きとは趣を異にしますが、彼女の演奏は最初から最後まで心地よく耳に響いてきます。

より女性的で優しい音色はアルゲリッチと好対象、ちょっと気になるピアニストです。

是非聴いてみて下さい。