消えた労働力
日本でこの20年に減少した労働人口は1,000万人といわれています。なんと東京23区の人口が減少した事になりますが、高齢化と併せ日本の将来を考える上で深刻な問題です。
現在、40・50代の正規労働者は1,699万人、非正規労働者795万人、合計で40歳・50歳代の労働人口は2,499万人ですが、これに対し同世代の失業者は72万人といわれています。
ここまでは統計で明らかになっていますが、問題は数字に表れない失業者数です。
一般に失業者といわれるのは、求職活動をしているにも関わらず働く事が出来ない人ですが、求職活動をしていない(出来ない)失業者は統計から消えています。
数字に表れない「消えた失業者数(ミッシングワーカー)」、働きたくても、親の介護等で働けず、当然の事ながら求職活動をしていない40・50歳代の失業者数は103万人と統計上の失業者数より遥かに多い数字のようです。
親の介護等のために自ら選んだ道だから「自己責任」?
親を施設に入れたくても費用等の条件が合わずに働く事を諦めている人も多いはずです。
私は「ミッシングワーカー」の数も統計に入れるべきだと思います。そうしないと正しく日本の現状を認識する事は出来ません。政府も自分の都合の良い数字だけを発表するのではなく、国民が現状を正確に把握できるよう努めるべきです。
アメリカの失業率は、2015年に5.1%となっていましたが、ミッシングワーカーを含めると実際は7.4%だったといわれています。
日本も同じでミッシングワーカーを含めると失業率は跳ね上がる事が予想されます。
楽観的(希望的)の数字よりも、厳しい数字を想定して国は政策を立案していくべきです。
そうなれば、「東京オリンピック」「大阪万博」(フランスは辞退しましたが)どころでは無くなります。
鎖国の時代を引きずっているかのような「外国人労働者」や「移民問題」も今日までの方針の転換を迫られるでしょう。
少なくとも、「憲法改正」よりも「少子高齢化」や「労働力不足」への対応の方が申告で重要性は高いはずです。
数字には表れない、働きたいのに働けず将来に希望を失った人々、
「できないんですよ、あと一歩がだめ、踏切で、もしここで飛び込んだらといったら、足がすくんで行かない・・・」
「自己責任」だけで終わらせてはならない問題です。