堺市の変人

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「プリンシプル」

日本のスーパーヒーローといえばまず頭に浮かぶのは「坂本龍馬」、大きな組織に属していない事も共感を呼んでいるようです。

司馬遼太郎の「竜馬がゆく」で一時期ブームを巻き起こした龍馬ですが、土佐桂浜の坂本龍馬記念館や龍馬が暗殺された京都の寺田屋は、今でも人気の観光スポットになっています。

 

この坂本龍馬を上回るスーパースターと言えば「白州次郎」、ある調査では坂本龍馬の10倍もの票を獲得したようです。

坂本龍馬は江戸から明治時代に活躍したスーパースターですが、片や「白州次郎」が活躍したのは戦中・戦後、時代が新しいので親しみ易いのかも知れません。

 

敗戦後、「占領下の日本で、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)に抵抗らしい抵抗をした日本人がいたとすれば、ただ二人」、一人は吉田茂であり、もう一人はこの僕だと白州は述懐しています。

GHQからも「従順ならざる唯一の日本人」と言わしめていますので相当腹の据わった人物だったようです。

 

ややもすれば「強者に弱く、弱者に強い」といった事がまかり通っているような気がしますが白州は逆です。強者に服する事の無い強さと、弱者に対する優しさを窺わせる逸話が多数残されていますが、例えば、「自分よりも目下の人間には親切にしろ」と周囲の者に言い聞かせ、自らもビルの清掃者やゴルフのキャディに「ありがとう」と言って礼儀正しく接していたようです。

 

白州は、17歳でイギリスに聴講生として留学しています。米国人と比べても遜色の無い180㎝近くの立派な体格だったようです。

しかし、彼の魅力は才能や性格・容姿では無く、強者の対しても信念を貫いた生き様に有るような気がします。

 

白州が事有る毎に口にしていた言葉、「プリンシプル」、夫人が「毎日毎日、プリンシプル、プリンシプルと誠にうるさい事であった」と回想していますが、それ程「プリンシプル」は、彼の変わる事のない信条だったようです。

 

「プリンシプル」?直訳するのは難しいですが、彼の生き様から「原則を貫き堂々と振舞う」事のようです。

日本人と違い西洋人と接する場合、「全ての言動にプリンシプルがはっきりしている事が絶対に必要」だったようです。

 

日本で初めてジーンズを穿いたというダンディな白州次郎ですが、「強者に強く、弱者に優しい!」という姿勢が「日本一カッコいい男」の秘訣のようです。

強者に弱く弱者に強い今の政治家とは隔世の感が有ります。