ビバ!「チキンラーメン」
昨日のNHK連続テレビ小説「まんぷく」で、主人の萬平さんが「まんぷくラーメン」の製法特許を公開し、粗悪品が出回らないよう、全国で販売される「即席ラーメン」の品質の維持向上に向けて「即席ラーメン協会」を立ち上げるという件がありました。
日本の国民食「チキンラーメン」の開発を題材にしたドラマで、当然、脚色がなされているものの、大筋としては、歴史に基づいているようです。
研究に研究を重ねて編み出した「瞬間油熱乾燥法(油の熱で乾かす)」という斬新なアイデアは、60年を経た今でも、「即席ラーメン」製造の基本として受け継がれています。
私は、チキンラーメンの開発者、安藤百福の成功物語よりも、消費者に安くても「安全」な食品を提供したいという思いに感銘を受けました。
今の時代、ややもすれば「金儲け」が最優先目標となり、全ての人が共に豊かになっていくという、昔ながらの考えが軽視されがちのような気がします。
日本の最高学府の大学においても、お金を儲ける事が立身出世の目標となってしまっています。
世界的にも、この傾向は強まるばかりで、結果、未曽有の格差が生じ、社会(政情)不安が各地で発生しています。
先進国で台頭している「ポピュリズム」も、本を正せば歴史上前例の無い格差の増大に起因しているようです。
世界的な成功者、ビル・ゲイツは、資産が9兆円を越えていると言われていますが、この額はアルゼンチンやギリシャの国家予算に匹敵するものです。
言い替えれば、国家を動かす事が出来る程のお金を個人が所有している事になりますが、政治の重要な使命である「富の再配分」が、多くの国で正しく機能していないのでは?
「金儲け」至上主義といったご時世ですが、50年以上前に安藤百福がチキンラーメンの製法特許を公開し、対価を求めなかったという事実は、現代の私達に多くの教訓を残しているようです。
「チキンラ―メン」は、年間1億7,000万食の販売といいますから、特許を有償にすればどれだけ多くの富を独占出来たかは容易に想像出来ます。
心底から、百福がビル・ゲイツのようで無かった事に、拍手喝采というところです。
日本人として、ちょっと世界に自慢したいような気持になりました。