玄冬の頃
中国では、人生を四つに分けて「青春(せいしゅん)」「朱夏(しゅか)」「白秋(はくしゅう)」「玄冬(げんとう)」という考え方が有るようです。
若々しい正に成長期の「青春」期
人生真っ盛り仕事や家庭に追われる「朱夏」期
定年後、第二の人生を静かに考える「白秋」期
そして、人生終わりを考えてしまう「玄冬」期
と言った感じで、75歳位からが「玄冬」に入って行くようです。
正にこの「玄冬期」ついて語っているのが、五木寛之の「玄冬の門」(ベスト新書)です。
読み進むうちに、つい引き込まれ一気に読み切ってしまいました。
一般的には仕事の人間関係も無くなり、お付き合いが少なくなっていく高齢期には、家にとじ籠る事無く積極的にお付き合いの場を作って行く事が大切では?といった声が良く聞かれますが、五木の考えは違います。
人間、死ぬ時には必ず一人で死んで行くのですから、極端に言えば家族にも頼らず一人で死んでいく心構えが必要なのでは?といった事が書かれていました。
「ボケ」防止の為に人との有る程度の交流は必要かも知れませんが、必ず一人ぼっちで死んでいく!という覚悟も「玄冬期」になれば必要なようです。
元気なうちは趣味を楽しむなり、ボランティアやサークルへの参加も出来ますが、身体が動かなくなったら・・・
子どもは居ませんし、嫁さんに出て行かれないという保証も有りませんし、嫁さんが居ても何時も世話をしてもらうのも気が引けます。
近くに住んで居られる方に「最近は旅行に行かれないようですが?」とお聞きした事が有ったのですが、帰って来た返事は「友達からも誘われるのですが、最近主人から目を離せなくなって私が家を空けられない・・・」
私も人に余り頼らず、迷惑を掛けない生き方を探していく歳に近づいて来ました。