堺市の変人

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「ミクロの決死圏」

久し振りに「ミクロの決死圏」をテレビで観ました。

電卓も無い50年前の映画、日本では黒澤明監督の「用心棒」「椿三十郎」「赤ひげ」、市川崑監督の「東京オリンピック」、小津安二郎監督の「秋刀魚の味」、はたまた加山雄三の「若大将シリーズ」が作られた時代です。

 

東京オリンピックでテレビが普及し、徐々に映画に陰りが見え始めた時代ですが、日本映画の名作と呼ばれる作品が多くあります。

そんな1966年にアメリカの「20世紀フォックス」でこの「ミクロの決死圏」は製作されました。

 

私も何度かテレビで観ていますが、映像も何もかも古い映画ですが、若い頃に新鮮な衝撃を受け、夢中で画面に見入っていたのを覚えています。

なにせ、病気の人間の体内に人が入って治療するといった企画は、今でも斬新そのものに思えます。

CG(コンピュータ―グラフィック)や特撮が格段に進歩している今日ですので、この映画こそリメイク版が作られても良いような気がします。

 

さすがにSF映画の名作だけあって、アカデミー賞の「美術賞」「視覚効果賞」に輝いています。

科学技術が進歩した今日でも十分に観て楽しい映画ですので、企画から脚本、撮影までが、いかに当時の最先端を走り凄かったかが伝わってきます。

 

この映画に出演している「ドナルド・プレザンス」の演技も見応えがあります。

大脱走」「007は二度死ぬ」「西部戦線異状なし」や刑事コロンボの「別れのワイン」・・・

悪役や狂人役から一癖ある善人役といった個性的な役が多いですが、刑事コロンボの「別れのワイン」なんかはワインを愛するが故の「狂気」を見事に表現していました。

大脱走」での演技も、「チャールズ・ブロンソン」と共に、彼の存在によって映画がワンランクアップという印象があります。

 

キャストに演技派が揃っています。(グラマラスなラクエル・ウェルチ以外は?)

とって付けたような演技が全く有りませんので、後味も抜群の映画です。

1960年代、日本では考える事も作る事も出来なかった映画です。