堺市の変人

堺市から情報を発信する変人親父です

新そば

「新そば」の季節になりました。

と言っても、私は「そば通」ではありませんので新そば微妙な味の良さを語ることなど出来ません。でも、この時期になると美味しい蕎麦が恋しくなります。

もっぱら食べるのは、「盛りそば」か「ざるそば」です。

 

以前、義母の出身地である島根県出雲市に出掛けた事がありました。

出雲といえば蕎麦所です。義母が親戚回りをしている間に、家内と二人で蕎麦屋さんに!義母から教えてもらった美味しいお店に出向きました。

 

出雲そば」は蕎麦の実を皮ごと挽くため、黒っぽいのが特徴のようです。白っぽい更科そばと比べると、いかにも田舎そばといった風貌ですが、香りが強くとても美味しい蕎麦です。若い頃にも何回か出雲の地を訪れました。

 

今は少ないようですが、以前は遠方より客人が来ると割子そば(三段の丸い漆器に蕎麦を盛って出す、器の中のそばに薬味を入れ汁をかけて食べます)の出前を取ってもてなしていたようです。家内は子供の頃、田舎の親戚に行くと、行く家、行く家で割子そばを出されて「食べろ食べろ」ともてなされるので割子そばが一時嫌いになったと言っていました。でも、せっかくの出雲、蕎麦を食べない訳にはいきません。

 

義母に教えられた店に入ると、さすがです!観光客の方が多く、皆さん蕎麦を食べておられました。きっと美味しいぞ!

 

寒い季節だったので家内は釜揚げ、しかし私は寒くても割り子そばです。一口目は何も付けずに、二口目は少し塩を付けて、三口目は汁を付けて味わいました。正直その時の感想は「不味くはないな」といった程度でした。でも、蕎麦の後に出された「そば湯」の美味しかったこと!

「ドロッ」した濃いそば湯で、そばの風味がなんとも言えません。しっかり「そば」の味が詰まっています。「うーん、このそば湯は美味しい!」と唸ってしまいました。

 

そば好きの友人に連れられて有名所のそば屋にも何軒か行きましたが、このそば湯に勝るそば湯を飲んだ事がありません。

肝心の「そば」よりも「そば湯」に感動して店を後にした後で、義母と合流しましたが

義母もまた親戚の人と別のそば屋に行っていたようです。

 

「もう、めちゃくちゃ美味しかった!」とご機嫌です。親戚のおじさんも「やっぱりそばは○○(店の名前)だ!」と満足そうです。

 

私達が「私達の行ったそば屋は、そば湯はとっても美味しかったけど、蕎麦は普通のそばだった」と言いますと、親戚のおじさんが「姉さん(義母のこと)あそこの店で美味しいのは「鍋焼きうどん」だがねー」と一言!

「あぁ、そげだったねぇ~、アハッハッハッ」と笑い飛ばしていた義母でした。