ライター騒動?
先日、近くのブランド品の中古販売店で銀メッキが黒く錆びたライターがショ―ウインドウに並んでいました。
元々、「いぶし銀」という言葉も有るように、光っている銀では無く馴染んで落ち着いた銀には惹かれる質ですので思わず手に取ってしまいました。
なんと「ST.Dupont」!デュポンのギャツビ―(定価5~6万円)が中古で1万円の値札が付いています。
一見錆びて汚いですが銀は磨けば渋い光沢がよみがえります。
蓋を開け閉めすると、デュポン独有の「ピーン」という開閉音が心地よく響いてきます。
ジャズクラブで楽器の音が鳴っていても、デュポンのライターを開ける音が聞こえるという逸話も納得出来ます。
デュポン社は、高級トランクメーカーとして有名ですが、金属加工技術の評価も高く、最高の素材と技術で作り上げられるライターも、正に喫煙家の憧れの的となっています。悲しいかな高くて買えないながらも気になるライターでした。
さて値段交渉、汚れが目立ので「もう少し安く」とお願いしたところ9,000円!
心が揺れてきました。
長年煙草を吸っていますが、ライターは「ジッポーのオイルライター」一筋でした。
取りあえず、火が付かなかったら返品OK,という事で持ち帰り、汚れ(錆)を全て落とし、後はガスを入れて点火の確認と作業が進んで行きます。
しかし、このガスが問題です。
デュポンライターのガスは一般に市販されているガスが使えません。買うとなったらガスだけで2,000円~3,000円、これでは安く買った値打ちがありません。
結局、大丸心斎橋店内の直営店に持ち込みました。
いよいよ、店員さんが裏蓋を開けガスを注入!
「シュ―」という音が聞こえてきました。
「本体(ガスの注入口)からガスが漏れています。」という非情な言葉が返ってきました。
「治りますか?」
「はい、オーバーホールだけで治る場合も有りますが、部品の交換が必要な場合もあります。」
「オーバーホールは幾らかかりますか?」
「基本料が1,5000円、部品交換の場合はプラス部品代が必要となります。修理期間は2月位、今からなら年内OKです。」
万事休す!9,000円で買ってオーバーホールが15,000円、部品代も要るかもとなれば諦めるしかありません。
早々にライターを返し状態を説明し、返金して貰いました。
それにしても、シンプルで飽きのこないデザインでした。
ライターでひと騒ぎといったところですが、物に心を動かされる煩悩の塊のようなオッサンです。