小谷さんの吹きガラス
倉敷ガラス(旧水島ガラス)と言えば、小谷眞三・栄次さん親子の吹きガラスで作られるグラスや小鉢・瓶なんかが有名です。
目指すのは「用の美」、50年位前から今日まで全工程を一人で行う「スタジオ・グラス」というスタイルは作者の個性が存分に発揮され、人柄から滲み出て来るようです。
このガラス製品の持っている「暖かさ」は、クリスタルガラスとは一線を画する物が有ります。
「健康で、無駄が無く、真面目で、威張らない」を大切に守っており、少し厚みが有りますが、40年間、毎日使っても壊れない長持ちグラスです。
我が家でも、ビールを飲む時やジュース・麦茶・牛乳等、冷たい飲み物は必ずこのグラスを使っています。
お薦めは、やはりグラス(コップ)です。さすがに倉敷ガラスの原点だけあって、何年使っても古さを感じさせません。クリスタル程の透明感は有りませんが、「暖かみ」のある表情は世界一?です。
大震災でも来ない限り、私が死んだ後も日常の器として活躍する事は間違い有りません。
以前、旅行に信州に行った時に宿屋で似たようなグラスが目に止まり、お店の人に「小谷さんのグラスに似ていますね?」とお尋ねした所、帰って来た言葉が「このガラス製品を作っておられるのは小谷さんの弟子で田坂真吾という方です。」
奇妙な縁を感じてしまいました。
田坂さんのグラスは、小谷さんのよりも少しだけ薄めで持った感じも軽く現代的だなと感じましたが、あの独特の「温かみ」はしっかりと受け継がれているようです。
日常使いの器として何時までも作り続けて欲しいものです。