堺市の変人

堺市から情報を発信する変人親父です

米国、二国間交渉で「TPP」以上の条件を!

米国の豚肉生産団体が日本向けの売り上げが減少したと、アメリカの政府と議会に対し対日交渉をまとめるよう求めているようです。

内容は、「アメリカが離脱したTPP協定(環太平洋パートナーシップ協定)発効により輸出が減少したとして、TPPより有利な条件を獲得する」事を求めるものでした。

 

日本向けの関税が下がったTPP加盟国に比べ、アメリカから日本への輸出は不利になっているとの豚肉生産者団体の主張ですが、アメリカ政府は、米国農産物の輸出増加のため、日本に「二国間交渉によってTPPで交渉された内容を改善する」としています。

 

米国が目指している二国間交渉(EPA・FTA等)は、「アメリカファースト」を実現させるためのトランプ大統領の政策ですが、私には大国の力で他国を抑え込む政策のように思えます。

 

米国は、「①米国民にとって、より自由で公正なやり方で貿易を拡大する。②今後の貿易上の措置は全て米国の経済成長を高め、国内雇用を創出し、貿易相手国との相互主義を促進し、生産基盤、防衛能力を強化し、農業やサービス業の輸出を拡大することを目指すものである。③そのための方策として、基本的には多国間交渉ではなく、二国間交渉に集中する。④米国の利益に合わない過去に締結した通商協定に関しては再交渉し、その内容を改訂する。⑤米国の労働者などに対して不利益となる外国の不公正な貿易慣行に対しては、見て見ぬふりをすることは出来ない。」との通商政策の基本方針を明らかにしています。

 

なんと、国民受けする内容かと感心してしまいます。

二国間交渉なら、アメリカの「力」で有利な条件を獲得出来るという思いが強く出ていますが、より多国間でのルールを創る事により「フェアトレード」を実現し、世界の国々の発展に寄与して行くという理想には、程遠い方針を大国アメリカが歩んでいるように思えます。

 

第一、TPPを上回る条件を米国と締結することは理論上不可能です。いや、絶対に日本はそれを許してはなりません。

いくら日本とアメリカが政治・経済で緊密な関係であろうとも、TPPを上回る条件を認めたならば、日本は他の10ヶ国を裏切る事になってしまいます。

 

パーデュー米農務長官は、農業団体の不満を背景に「TPPと同水準かそれ以上」の市場開放を求めているようですが、米政府が世界の秩序を無視し、「アメリカファースト」を打ち上げ、国内世論に同調するのは危険過ぎます。

 

日本政府は、断固「筋」を通し、国家としての「品格」を保って欲しいものです。

米国が抜けた後、苦労して11ヶ国で合意にこぎつけたTPPです。

この努力が無駄にならないようにと心から願います。