堺市の変人

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WHO(世界保健機構)に思う

71年前(1948年)の4月7日、国際連合の専門機関として「すべての人々が、可能な最高の健康水準に到達すること」(第1条)を目的として「WHO(世界保健機構)」が設立されました。

 このWHOの歴史の中でも「天然痘」の撲滅については、最も大きな成果として記憶されています。

 

天然痘」は、世界各地で多くの死者を出した病気でしたが、症状が明確に判別出来、ヒト以外には感染する事無く、「種痘」という完全な予防措置が確率されていたため、WHOが中心になって撲滅に取り組んだ事から、1977年のソマリアでの患者を最後に地球上から無くなり、1980年にWHOは撲滅を宣言しています。

 

ヨーロッパでは、数百万人が死亡したと言われている「天然痘」の撲滅以降、WHOは、新しい課題として「ポリオ」や「オンコセルカ症」等の撲滅計画が進められています。(フランス国王ルイ15世も天然痘で亡くなったといわれています。)

 

しかし、ここで気になるのは、世界各国がどれだけ本腰を入れてWHOの設立主旨の実現に向け取り組んでいるのか?という事です。

 

人の命に関わるWHOの2000年~2001年(2年間)の一般会計予算は、8億4265万ドル(925億円程度)です。

片や世界の国防費は190兆円を超えています。

アメリカの国防費は60兆円超、中国20兆円超、日本の自衛隊ですら5兆円といわれています。

 

WHOの2年間の予算が世界中で人を殺戮するための予算(国防予算)の0.1%にも遥かに及ばないという現実を思うと複雑な気持ちになってしまいます。

 

当然、各国はWHOの負担金だけでなく、国内で健康に対する支出を行っていますので、WHOの予算だけを見て非感する事も無いかも知れませんが、軍備増強に対する各国の思いと、世界的に疾病を無くして行くWHOへの理解度を比べると悲しい気持ちになってしまいます。

 

どうして人類は、何時も戦争への備えをしなくてはならないのか?

太古より、人類の歴史は戦いの歴史であったと言い切ってしまえばそれまでですが、「人類の進歩」という言葉が空しく響いてきます。

 

数万年前には、人がネアンデルタール人と戦い絶滅させたといった学説もあるようですが、今の人類の所業をみていると、あながち嘘でも無いような気がします。

残念な事ではありますが・・・