ものの始まりなんでも「堺」
新日本風土記で「堺」が紹介されていました。
堺といえば、日本最大の仁徳天皇陵古墳が頭に浮かんで来ます。古墳としては世界最大の面積を誇っています。
堺市の百舌鳥古墳群には、仁徳天皇陵をはじめとして44もの古墳があります。
4~6世紀には「堺」が経済と文化の中心だったようです。
この番組の中で「小唄」が紹介されていました。
「物のはじまりゃ なんでも堺 三味も小唄もみな堺 ホンニソヤソヤ・・・」
堺音頭でも同じ歌詞があるようですが、堺に来て20年余り、恥ずかしながら知りませんでした。
ちょっと気になって調べてみたら、「鉄砲」「自転車」「タバコ包丁」「線香」「私鉄」「木造洋式灯台」「瓶づめの酒」「学生相撲」「金魚」「傘」「シャベル・スコップ」「銀座」・・・
戦国時代から優れた金属加工の技術があった事と、貿易都市・商業都市として発展してきた事が鉄砲や自転車、包丁造りに活かされたようです。
堺の鍛造技術は古墳時代からですから凄い事です。
平安時代は「刀」、その伝統を受け継いで今は「包丁」です。
刀工の技術が堺の包丁へと繋がっています。今も堺の包丁は、プロの料理人御用達ですので本物です!
「堺っ子」は、もう少し「堺」を自慢しても良いような気がしました。
堺市もご多分に洩れず「少子高齢化」による人口減少に直面していますが、足元を見ると「堺」には文化の積み重ねと優れた技術が息づいているようです。
歴史に裏打ちされた貴重な文化を伝承し育てて行く事が、「堺らしさ」を守って行く上で不可欠です。
私が住む泉北も、土を掘れば「土器」が出て来るという土地柄です。
沿岸部を埋め立てて造成された臨海工業地帯とは違う文化が、そこかしこに眠っているような気持ちになりました。
人口減少対策といえば、箱物を造って人を集めるという事が一般的ですが、泉北の再生には「堺らしさ」を大切にする事が求められるような気がします。
歴史と文化を大切にする心無くして「堺らしい」街の発展は望めません。
堺の豊かな「緑」とそこに息づく文化は、長い歴史の賜物でもあり、「堺らしさ」の生命線のような気がします。
私も、もう少し堺人である事を自慢するようにしたいと思います。
ものの始まり なんでも堺!