堺市の変人

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ダブルスタンダード

トランプ大統領が1967年の第3次中東戦争時にイスラエルがシリアから奪った「ゴラン高原」について、主権はイスラエルあると認める文書に署名しました。

国際社会はもとより歴代のアメリカ政権も、イスラエルによる「ゴラン高原」の占領と併合を認めていませんでした。

 

国連も米国を含む国際社会もイスラエルに対し「ゴラン高原」からの撤退を求めてきたのは、ゴラン高原をシリアに返還する事がイスラエルとシリアが平和協定を結ぶ大前提という認識を世界が共有していたからこそです。

 

しかし、今回のイスラエルの占領を認めるトランプ大統領の決定は、どの国にも許される事の無い、武力による一方的な占領を是認するものでしかありません。

アメリカは、2014年のロシアによるクリミア半島併合を終始、批判してきましたが、今回の「ゴラン高原」におけるイスラエルの主権を認めるという決定は、クリミア併合に対するアメリカの行動と相反するものとなっています。

正に「ダブルスタンダード」!

 

アメリカのこのような行動は、当然の事ながら世界各国の支持を得られるものではありません。

アメリカの言いなりといった日本でさえも「併合を認めない日本の立場に変更はない」とトランプ大統領の決定に同調しない姿勢を明確にしていますが、「エルサレムの首都認定」「イラン核合意離脱」に続き、世界の平和と安定に逆行するかのようなトランプ政権の決定は、私の理解の範囲を越えてしまっています。

中東の安定に逆行する行動ばかりのような気がします。

 

もし、これが4月に予定されている、イスラエルの総選挙で、汚職疑惑で苦戦が予想されるネタニヤフ首相の再選支援と、米国内のイスラエル支持層へのアピールだとすれば、米国は「大国」という看板を自ら降ろしたという思いがします。

 

ただ、常識では米国内でも批判が噴出するトランプ大統領の今回の決定についても、確実な支持層があるという事に大きな不安を感じます。(私達が考えている以上にトランプ支持の声は強いようです)

世界各国が「自国第一」を唱え、国内の世論を分断し、世界の平和と安定を顧みない風潮に私は危機感すら感じてしまいます。

 

家内が「こんな事では、また戦争が起こるのでは」と呟いていましたが、あながち非現実的な事でも無いようです。