「お見舞い」
数年前から月に一度、叔母さんのお見舞いに通っています。
若い頃、何かとお世話になった事が有り難く、年金暮らしとなり、少し暇も出来ましたので続けていますが、長年通っていると行くのが遅れた時には、私の気が落ち着かないといった状態です。
昔は気丈に商売もやっていた叔母ですが、歳には勝てずに今では病院暮らしです。
「来てくれたん」
「やっぱり顔を観ないと心配や」
とか言っていると何時も必ず
「早くお父さん迎えに来て欲しいわ」
「寿命が来たら迎えが来るから、それまで頑張り!」
といった会話になります。
今日は、特に体調が悪かったのか
「お願いやから、もう見舞いにこんといて」
初めて聞く言葉です。
気力が弱ってきているのかな?
「こんなもん、順番やで。次は僕も寝たきりになるわ、皆同じや!」
半分本音を交えながら応えていました。
「人生の光と影」、「人の生と死」
若い頃には想像もしなかった「病と死」が現実もものである事を思い知らされます。
歌にもあった「光と影」、自分も「影」と一緒に歩んでいる事を実感します。
これらの事が、高齢者となった私には、今までよりも身近に感じられるようになりました。
不思議と嫌な思いはありません!
人生の本当の姿に気付かされた事が、かえって有り難いと思います。
人の涙の意味が、今までより少しばかり分かったような気持ちです。
ちょっと遅いですが・・・