堺市の変人

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映画「マッキントッシュの男」

98分のスパイ・サスペンス映画「マッキントッシュの男」は、1973年のアメリカ・イギリス合作の作品です。

大作でもなくストーリーも単純、派手なアクションもないので退屈するのでは?といった映画ですので評価も高くありません。

 

監督がジョン・ヒューストン、主演ポール・ニューマン、助演ドミニク・サンダ、ジェームズ・メイソンも出演していますのでキャストはしっかりしていますし、観ていてもこれと言って嫌な(退屈な)なシーンはありませんが、展開に山がないようであっさりしているように感じました。

 

もう一ひねり工夫があれば・・・とも思いましたが、この監督、「影」の使い方が上手いようです。

リアデン(ニューマン)が悪者?を伴って教会に辿りついたシーンでは、普通なら人物をそのまま映像にするのですが、ニューマンが銃を持ち二人で歩くシーンが「人影」で表現されています。

思わず「上手いな!」と唸ってしまいました。

 

最後のスミス婦人(ドミニク・サンダ)が去っていく場面も粋です。

スミス婦人が闇(影)の中へ歩いて行き、姿が見えなくなっていきます。

残るのは「影」のみ、私なんかは、もう一度婦人がリアデンの下に帰って来るかといった期待があったのですが、夫人が消えた闇だけが映し出されて映画が「END」です。

残るのは気持ちの良い余韻のみ・・・

 

期待を気持ちよく裏切られました。

「影」の効果を改めて感じさせられた映画でした。

決して名作ではありませんが、私には「ハッ」と思わせてくれた印象深い映画といえます。

 

ひとつの場面を丁寧に作っている、ジョン・ヒューストン監督のこだわりを感じてしまいました。