包丁を育てる?
昔、包丁は「刃」が付いていない状態で売っていたようです。
それを自分で使いやすいように砥いで「刃」を付けて使っていたようですが、使っては研いで、また使っては研ぐといった具合に、包丁を研ぐというのは日常の事だったようです。
そう言えば、昔は何処の家にも、台所の片隅に砥石が置いてあったような気がします。
私も、たまに包丁を砥いでいます。
決して上手くはないですが、刺身包丁なんかは特に丁寧に砥ぎますので、砥いだ直後の包丁は、「怖いくらい切れるわ」と家内が驚く事もあります。
以前、テレビで料理人の使っている包丁が、長年使い込んで半分位に小さくなっているのを見た事があります。
やはり、包丁は使う人が育てていくものだと、つくづく感じました。
結婚の婿入り道具では無いですが、私も家から砥石を3個持って来ましたし、亡き義父が使っていたのも貰っていますので、家には荒砥から仕上砥まで5~6個の砥石があります。
荒砥は、刃こぼれがひどい時に使いますが、普通は中砥で十分です。
刺身包丁なんかは仕上砥でしっかり研ぎますが、出刃や菜切り包丁は中砥で十分です。
あまりシャープに砥いでしまうと、かえって刃こぼれが起き易いので、仕上砥は刺身包丁くらいにした方が無難です。
「包丁を砥ぐ時には、刃の角度を・・・」とか言われていますが、何回かやってみれば意外と簡単に砥げます。
第一、刃の角度なんかは一本一本違いますから、やってみるしか無いです。
失敗しても、砥ぎ直しをすればリカバー出来ます。
包丁、特に和包丁は独特の魅力を持っています。
百貨店の売り場には、綺麗な包丁が並んでいますが、高価な包丁を買う時には、自分で砥ぐ事もセットで・・・
包丁は、自分の家の台所で育っていきます。
特に、鉄の和包丁は、小さくなるまで自分で砥いで何十年も使い続けたいです。
何処の家でも包丁砥ぎは「男」の仕事、「たまに、料理を作るのはいいけどお皿も洗って」と良く文句を言われていますが、「包丁を使うなら、たまには自分で砥げ!」と言い返したくなります。
絶対に口には出せませんが・・・