堺市の変人

堺市から情報を発信する変人親父です

「格差」と「貧困」

「FACT FULNESS(ファクト フルネス)」という書物が話題になっています。ビル・ゲイツが大絶賛し、大卒の希望者全員にプレゼントした本のようです。

10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣が大切といった内容です。

 

実は、私も新聞の書籍の案内でしか見ていませんが、その中に「世界の人口の内、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったか」という設問がありました。

富が一極に集中している今日、増えているか、良くても変わっていないと思っていた私は、驚きました。なんと、極貧の人の割合がこの20年で半分になっているようです。

 

しかし、ここで違和感!?

人々の今の不満は何処から来ているのかな?と考えた時、「貧困」よりも「格差」の方が、重要なポイントのような気がします。

 

戦後、日本が物の無かった時代にも、人々は「幸福感」を持って生きていました。

もっと古い、「縄文時代」、今と比べると物が皆無に等しい時代でも、人々は分担し助け合い「幸福」に暮らしていたような気がします。

今のように「物」は有りませんので、食料が手に入れば喜び、子供が生まれれば喜ぶと言った事で「幸福」であった事は十分に想像出来ます。

 

反対に、未来の社会は、月に旅行に行けないといって不満を言い、家事を全てやってくれるロボットが買えないと文句を言うという時代になっているかも知れません。

 

今日、世界でポピュリズムが躍進し、寛容さが無い「自分第一」といった風潮が出て来ていますが、一つの原因は、「富」の集中にあるような気がします。

現在、たった62人の大富豪が全世界の半分の富を持つといった、異常な世界が現実のものとなっています。ビル・ゲイツだけで、1億人分の富を所有しています。

ちょっと行き過ぎでは?

 

「富の再配分」といった政治の基本中の基本が忘れられているような気がしますが、「民主主義の危機」といった言葉が心に突き刺さります。

政治の機能不全から「格差」が生まれ、不平等感が高まり社会に不安と不満が今まで以上に湧きだしているようです。

 

貧富の差は、当然の如くいかなる社会でも出てきますが、「格差」が拡大し、極端に富が一極に集中するようでは、決して良い社会は生まれません。

世界の進歩の恩恵は、全ての人が享受すべきです。

 

「貧困」が減っているという事実は十分に認識し評価すべきですが、社会不安の根源ともいえる「格差」については、政治が真剣に考え解決策を考えて行くべきです!

 

「富める者」は欲をかかず、「貧しき者」も余り多くを求めないで、それぞれが幸せに暮らしていくためにも「富の再配分」は大切ですし、それなくして「富める者」と「貧しき者」との共存は望めません。

 

私も、余り多くの物を求めないで生きていきたいです。