堺市の変人

堺市から情報を発信する変人親父です

新しい夢に向え!「稀勢の里」

先週のスポーツニュースは横綱稀勢の里」の引退会見で持ち切りでした。

家内は、「稀勢の里」のファンです。何かとやかましいです。

 

貴乃花以来14年振りの日本出身横綱となった「稀勢の里」は、日本中の期待を背負っていたと言っても過言ではありません。

長い時間をかけてやっと横綱になった苦労人ですが、地道な努力ゆえにディープなファンが多い力士です。

 

怪我で欠場が続き「引退」という言葉が世間で囁かれ続ける中、期待するファンのために日本人横綱として頑張ってきたのでしょう。

相撲協会の対応が甘すぎる」「引退するのが遅すぎる」・・・むしろ早々に引退するほうが楽な道だったのではないかと思います。しかし、多少は横綱という地位にしがみついた感があるにしても、それ以上に周囲の期待に応えたい、横綱としての使命を果たしたいという思いの方が強かったようにみられます。

 

引退会見で印象に残る一番は?との問いに、平成29年初場所千秋楽で横綱昇進を決めた「横綱 白鵬との一番(稀勢の里勝利)」と答えています。

後日、テレビ番組で白鵬へのインタビューが紹介されていましたが「稀勢の里との印象に残る一番は?」との問いに白鵬は「63連勝を阻止された平成22年11月場所の一番です」と答えています。

 

22年のVTRを見ると、勢いでは白鵬の方が押しているように見えます。

稀勢の里が最後の最後に白鵬を土俵から押し出し、白鵬は観客席まで転がっていますが、起き上がった白鵬は首を傾げながら少し笑っているように見えました。

清々しい顔でした!

 

63連勝をストップされた一番でしたが、悔しさの中にも「いつか負ける時がくる」といった諦念が白鵬の表情に感じられました。

印象の一番を聞かれ、自分が負けた一番を答えた白鵬にも相撲道の真髄を見た思いがしました。

 

横綱という地位に付いた力士は最後は引退しか残されていないという制度は古い」と先日ビートたけしがニュース番組の中で言っていましたが、最後は引退しか残されていない王者、それでこそ、それだからこそ横綱なのだと私は思います。

やはり、相撲は一般のスポーツとは違い、神に捧げる「神事」であり「武道」です。

 

天才肌で無く下積みの苦労も分かっている「稀勢の里」はとても良い親方になると思います。いや、相撲界のためにも必ずや良い親方になって欲しいです。

彼の弟子が横綱になる日が楽しみです。

それまでは、引退しても精進!精進!「稀勢の里」の勝負は、これからも続きます。