「改正入管法」
今国会の重要法案、「改正出入国管理法」が成立し、来年4月から施行されます。
労働人口減少時代に、いかに労働力を確保するかという喫緊の課題に対し、外国人労働者の受け入れ拡大は理にかなった政策ですが課題も多く残されたようです。
我が国は極東の島国、長期にわたる「鎖国」の影響も有り独特の文化が花咲き、人々は、その文化に誇りと安心感を持っているような気がします。
外国人の流入で文化の維持や治安に対する不安も十分に理解出来ます。
しかし、今や「人」「物」「金」が国境を越えてダイナミックに動いており、その勢いは益々強くなっています。
止めようとしても止められるものでは無いような気がしてなりません。
歴史を振り返っても、独自の文化を誇っていた「沖縄」や「北海道(アイヌ)」も、今では日本という文化圏に入っている事は誰の目にも明らかですし、世界的にも少数民族の文化が文明という名の下、大きく変わってきています。
当然、固有の文化を守る事は大切ですし、アイデンティティーとして大切にして欲しいものですが、私自身も親から教えられた「大切なもの」をどれだけ守っているかというと自信がありません。
感情論として外国人の増大に危機感(恐怖感)を抱くのも十分に理解出来ますが、既に時代はボーダレス!
いかに外国人労働者を上手く受け入れるかという前提で日本経済を語る時期に来ているようです。
女性や高齢者の活用だけで急速な少子高齢化は乗り切れないような気がします。
一つ気になるのが、一般の外国人労働者は5年過ぎれば、どんなに真面目に働き税金を納めていようと帰国しなければならない事です。(一部特殊技能者には延長が認められていますが)
ようやく日本語に慣れ、日本の生活にも慣れた頃に帰国というのはどうかなと思ってしまいます。
外国人を低賃金で雇い価値が無くなったら帰れというのは、人権という観点からも問題があります。
一生懸命働けば日本に永住出来、家族も呼び寄せられるという環境作りが求められています。
実際、日本人より日本の文化に造詣が深い外国の方も多く居られます。日本人に勝るとも劣らない程日本を愛しておられる外国人も多いです。
世界で最も少子高齢化が進んでいる日本が、いかにこの課題を乗り越えていくか世界が注目しています。
今までの延長線上の取り組みでは通用しません!
今回の改正入管法改正については、手続きも含め万全であったとは思いませんが、経過の中で日本人・外国人の「人権の擁護」という観点からもより良き制度にしてもらいたいものです。
現実の問題として、日本経済は外国人労働者無しでは考えられなくなっています。