堺市の変人

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歌を越えた歌「ねえ あんた」

喝采」「夜間飛行」「円舞曲」「かなしみ模様」「黄昏のビギン」「冬隣」・・・多くの名曲を残して銀膜を去った「ちあきなおみ」は、とてつもなく歌の上手い歌手でした。

プロの歌手に「歌が上手い」というのも変な話ですが、私の記憶では美空ひばりよりも「ひょっとして」という感があります。

 

彼女の歌は、上手さは当然の事ながら、そこに込められる「情感」は並みの歌手を遥かに超えています。

聴いてみて下さい彼女の「ねえ あんた」、語っているのか?歌っているのか!

こんな事が出来るのは、彼女以外に考えられません。

 

娼婦の心情をこれ程、愛らしく、切なく歌い切れる歌手はいません。

歌っているのかな?語っているのかな?俗に言う語り歌のようですが、歌っている最中に喜び悲しんでいる様子が伝わってきます。最後なんか「泣いているのかな?」と思ってしまいます。

音の悪いパソコン(ノート)で聴き直しても「グツ」ときました。コンサートなんかで生歌を聴いたら絶対に泣いてしまいます。

 

1992年夫との死別以来一切、公の場所に出ていない彼女ですが、去り際の良さも今では伝説となっています。

一時はタレントとしても活躍しましたが、気取らない性格が好感を持たれたようです。

 

独特の「フワーツ」とした声は、「黄昏のビギン」でも歌に膨らみを持たせ「ゆったり感」を上手く表現しています。上手いだけの歌手では真似できません。

 

もう一度歌って欲しいとも思いますが、やはり彼女の生き様はこれで良かったような気がします。

歌を越えた歌「ねえ あんた」、ちあきなおみの真髄です!