堺市の変人

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映画「王様と私」

1956年に公開された「王様と私」は、名優ユル・ブリンナ―とデボラ・カ―が、それぞれが譲らぬ演技をみせる名作です。

何度観ても妥協の無い映像と完璧ともいえる脚本には感心させられます。

 

まるで舞台を見ているようで、一般的な演技というより徹底した振り付けが登場人物全員に徹底されていてワンカットもおろそかにしないというウォルター・ラング監督のこだわりが伝わってきます。

 

王(ユル・ブリンナ―)と家庭教師(デボラ・カ―)の掛け合いも見事です!

台詞の一言一言が磨き抜かれ「これしかない」といった言葉が溢れだしてきて聴いていて楽しいのなんのってありません。

 

最近のハリウッド映画は、CG(コンピュータグラフィック)なんかを駆使して非日常や意外性、迫力も満点ですが見終わっても後に残りません。

人間味が無い?人間を深く追求していないような気がしてなりません。

 

しかし、60年余り前に製作された「王様と私」は、何ら気になる箇所が無いパーフェクトといった印象を受けます。

趣は違う小津安二郎の「東京物語」も忘れられない映画ですが、この「王様と私」も観終わった後、小津作品と同じような満足感があります。

 

今回は、映画を見ている内に「サウンド・オブ・ミュ―ジック」を思い出しました。

ストーリーも同じですし、ミュージカル、厳格な王(大佐)、自由奔放な教師・・・

大発見でした!

 

家内に、この映画、「サウンド・オブ・ミュージック」に似てるなと、新しい発見を自慢したところ、「そんなん常識や!」という言葉が返ってきました。

 

前人未登の山に登頂したと思ったら、山頂でチョコレートの空き箱を見付けたような気分です。