「報道の自由」?
米国の中間選挙が終わり、トランプ大統領が「勝った」「負けた」と様々な情報が飛び交っています。
上院の過半数を共和党が確保すると共に知事選も制した共和党のトランプ大統領は、一定の評価をしているようです。
しかし、下院は民主党が過半数を獲得した事から、議会の「ねじれ」により、法案が成立し難くなったのは確かなようです。
一つ言える事は、選挙中からのトランプ大統領の行動を考えると、「米国の分断」がより深刻になるような気がしてなりません。
しかし、私が一番驚いたのは、選挙後のトランプ大統領の記者会見です。
トランプ大統領が中間選挙後の7日、ホワイトハウスで行った記者会見で、CNNの記者がロシアによる米大統領選介入疑惑を追及した時、大統領は「無礼な奴め」と記者を罵倒する映像が飛び込んできました。
この記者のホワイトハウス取材のための入館証が取り上げられたといいますから驚きです。
思わず、家内に向かって「マスコミは憲法を盾に大統領(政府)に訴訟を起こせるのでは?」と過激な言葉を発していました。
「民主主義が健全に守られているか」、この事に対するマスコミの役割は大きく、真実を把握し国民に知らしめるという大原則を覆すような大統領の発言に大きな違和感をもってしまいました。
さっそく、アメリカ合衆国憲法を調べてみました。
合衆国憲法では明確に「報道の自由」を保障する条文は無いようです。
日本は、国の下に都道府県が存在しますが、米国は洲が集まって国を形成していますので、各洲は日本とは違い独立性が高いようです。合衆国憲法も洲の独立性を尊重し、最低限の項目になっているようです。
では「報道の自由」の法的裏付けは?
「憲法修正第1条」に、「・・・また、表現の自由、報道の自由、平和的に集会する権利、請願権を妨げる法律を制定することを禁止する。」と定められています。
CNNは、報道に対する露骨な威圧対し毅然と対処すべきですが、既にホワイトハウス記者会が政府に抗議していますし、一時の感情に流れた大統領も「しまった!」と入館証を記者に返すような気がします。
意外な事に、「自由の国」という感のある米国ですが、「報道の自由」世界ランキングでアメリカは、かつてアパルト・ヘイトが問題となった南アフリカ(28位)よりも下の45位です。
日本も自慢は出来ません。アメリカより遥かに下の67位です。
3年前に総務大臣が衆議院予算委員会で「放送法4条」を盾に「行政が何度要請しても言う事を聞かない放送局に何の対応もしないと約束できない。・・・」と放送局が政治的な公平性に欠ける放送を繰り返した場合、電波停止を命じる可能性に言及しています。
報道機関は、自信を持って「真実を追求し報道」する姿勢を堅持すべきです。
それにしても、日本の「報道の自由世界ランキング」が先進国で最下位というのはどうかな?