堺市の変人

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がん免疫薬「5兆円市場生む」?

日本中が本庶佑教授のノーベル生理学・医学賞受賞に湧いています。受賞理由は、「免疫抑制の阻害によるがん治療法の発見」画期的ながん免疫薬「オプジ―ボ」などに道を開いたということですのでノーベル賞も納得出来ます。

 

金融工学ノーベル経済学賞を受賞した経済学者もいますが、錬金術のような理論と違い、本庶氏の受賞は明らかに直接多くの人々の命を救うもので、日本人が新しいがん治療の道筋を付けたという事に心から喝采を送りたい気持ちです。

 

しかし、新聞紙面の「がん免疫薬、5兆円市場生む」という見出しには少し違和感を覚えます。

人の命を救う画期的な発見も、金儲けの手段という事でしょうか?

勿論、本庶氏は純粋に医学に貢献する事を目的としていた事は疑う余地はありませんが、偉大な発見(発明)も往々にして金儲けの手段になっているようです。

 

科学が新に人類に貢献しているのか?

ノーベル賞創始者、ダイナマイトを作ったアルフレッド・ノーベルは、「おそらく私の工場は議会よりも早く戦争に終止符を打つだろう。・・・」と軍隊の解体と戦争の終焉を夢見ましたが、現実はダイナマイトが戦争に使われ無数の命を奪い、フランスの新聞はノーベルを「死の商人」とまで呼んでいます。

 

ノーベルを始め、ベトナム戦争で使われた枯葉剤(オレンジ剤)の成分を作ったガルストン、戦争の強力な兵器となった飛行機の発明者ライト、人類破滅の兵器原子爆弾の発明者オッペンハイマー・・・多くの著名な科学者が悪魔の兵器を作った事を後悔しています。あのアイシュタインでさえアメリカ大統領に原子爆弾の開発を進言した事について深い反省の念を持っていたようです。

 

殺戮の道具とし利用された多くの事例は極端な例かも知れませんが、時代を切り開く最先端の発明(発見)が貧富の差を越えて人々に貢献し、平和な世界を作っていって欲しいものです。

 

要は、使いようによって偉大な発明(発見)も、「神」にも「悪魔」にもなる事を真剣に考えていく必要があるようです。