堺市の変人

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「FFR」って?

WTO世界貿易機関)」、「TPP(環太平洋パートナーシップ)」、「FTA(自由貿易協定)」、「EPA(経済連携協定)」・・・

米国と中国の報復関税の応酬が、貿易戦争の様を呈している今日、WTO等の聴き慣れない言葉が新聞紙上に飛び交っています。

 

トランプ大統領は、TPP等の「多国間協議」よりも、力関係で押し通せる「二国間協議」重視の姿勢を崩しておらず、中国との報復関税の応酬は正に泥沼の「貿易戦争」!

ここで出て来たのが、日米の閣僚級貿易協議「FFR(自由・公正・相互的)」ですが、既に会議を終え27日(明日)の首脳会談で合意が行われるようです。

 

争点となるのは、「自動車」!しかし、日本からの対米自動車輸出には2.5%の関税が課せられていますが、米国からの対日輸出は既に関税ゼロ!交渉の余地は限られています。

第一、関税ゼロでも日本でアメリカの車が売れないのは日本のユーザーが米国の車を欲していないだけの事です。(個人的な感想ですが、今のアメ車で良いなと思うのはクライスラージープ(レネゲ―ド)くらいです。デザインが良いですね)

 

米国は、二国間交渉で「現地生産の拡大」や「輸出削減」あるいは「牛肉を始めとする市場拡大」等を求め貿易赤字の削減を求めてくる事が予想されますが、日本はTPP(多国間協議)等で他国と関税協定を結んでいる限り、「農産物の関税」についてもアメリカだけを優遇する事に限度があります。

 

もし、日本が米国の要求をそのまま受け入れるような事にでもなれば、日本に対する各国の信頼は大きく揺らぐ事になってしまいます。

安倍首相とトランプ大統領の首脳会談の結果は、日米の二国間のみならず世界の貿易秩序維持といった観点からも重大な意味をもってくるような気がします。

 

トランプ大統領の「二国間交渉が好きだ。TPP(多国間協議)には戻らない」といった発言は、平和のため世界の秩序を維持するといった理想から外れるものです。

時代が数十年も逆戻りしたような気がします。