気になる「覇権国家」という言葉
米国と中国の貿易戦争が泥沼化し互いに高関税の応酬が止まるどころか、よりエスカレートしていくように見えます。
本来なら、アメリカの言う不当な貿易不均衡は、世界貿易機関(WTO)に提訴しその判断を仰ぐべきものですが、トランプ大統領は他の案件と同じように二国間で問題を解決しようとしています。
二国間の交渉で「力」で問題の解決を図ろうとする米国の姿勢は、明らかに国際協調を無視したもので、世界平和を理念とする国際協調路線に反しているように思えます。
「アメリカファースト」を推し進める米国の姿勢は、世界平和にも悪影響を及ぼす危険なパワーゲームです。
TPP(環太平洋パートナーシップ)・パリ協定・イラン核合意の離脱やエルサレムの首都認定等、国際的な合意から離れ、独自路線を突き進もうとしています。トランプ大統領の世界平和に向けての各国の努力を完全に無視をしたかのような行動は、理解し難いものです。
トランプ大統領が進める二国間協議が形を変え、「貿易戦争?」「高関税の応酬」となって世界経済をも揺るがそうとしています。
これらのトランプ大統領の行動が、米中間選挙を意識した大統領のパフォーマンスだとしたら、余りにも危険過ぎる行動だといえます。
8月24日の新聞記事に米中の貿易摩擦について「覇権国家争い」という言葉が使われていました。
「覇権国家」という「植民地時代」を彷彿とさせるような言葉に「時代遅れ」という思いと、「世界各国の発展」に反するような響きが感じられ怒りすら覚えます。
軍事や経済の覇権を握った国が、今日まで富(利益)を独占し世界規模の格差を生んで来た事は歴史の中でも明らかとなっています。
世界のリーダーを自負する国は、「アメリカファースト」のような考えでは無く「全ての国がファースト」でなくてはなりません。
「自分の国の事は少し我慢する」といった思いが今日までの国際協調路線を作ってきました。
一つだけ確かな事は、今回の米中貿易戦争はトランプ大統領が仕掛けたものです。
中国は、米国が発動した第2弾の制裁関税に関してWTOに提訴するようですが、トランプ大統領が耳をかす事は無いでしょう。益々「覇権国家」争いが泥沼化していきそうです。