堺市の変人

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「好きにならずにいられない」

「好きにならずにいられない」(Can’t Help Falling In Love)は、エルヴィス・プレスリーの代表的なバラード曲です。

エルヴィスといえば、「監獄ロック」「ラヴ・ミー・テンダ―(優しく愛して)」「ハートブレイク・ホテル」・・・と全米でナンバー1を獲得した曲が多くありますが、「好きにならずにいられない」は、全英では1位を獲得したものの全米では2位の曲です。

 

しかし、私はエルヴィスの曲の中で最も好きな曲です。

映画「ブルー・ハワイ」の中でヨーロッパのラヴソングという設定で歌われていますが、エルヴィスもこの曲を気に入っていたようで、ステージの最後の曲として歌っていたようです。

 

 

バラード調のこの曲は、彼の女心を鷲づかみにしてしまうような「甘さ」のある歌声にピッタリです。アンディ・ウィリアムズやコリー・ハート、UB40やボブ・ディランなんかがカヴァーしていますが、なかなかエルヴィス程の色気は表現しきれないようです。

セリーヌ・ディオンのカヴァーは一度聴いてみたいですが・・・

 

文字通りの世界のスーパースターと誰もが認めるエルヴィスですが、砂浜で寛いでいたエルヴィスが、ファンの男の子の監獄ロックのエルヴィスの動きを真似をしているのを見て、わざわざ男の子の所まで行き自ら振り付けを教えてあげた事があったようです。

 

一緒にいた女優が「なぜそんな事をわざわざするの?あなたの事が理解出来ないわ」「いつもあなたは誰か自分より人気のあるスターが出て来るのではないかと恐れているのに、あの少年に踊り方を教えてあげるなんて私には理解出来ない」と言ったところ、エルヴィスは、「君の言う通りだ、確かに僕は恐れている。でももっと恐れているのは自分が人の手助けをしなくなる事だよ」との言葉が返ってきたそうです。

 

頂点を極めたように見えるエルヴィスでも人気が無くなる事を恐れていたというのも驚きですが、「一番恐れているのが、人の手助けをしなくなる事」とは、いかにもエルヴィスの優しさが伝わって来るエピソードです。

 

晩年は、「ワ―カホリック(仕事中毒)」や「過食症」、「処方ドラッグ」等の噂もあったエルヴィスですが、彼ほど多くの声を使い分けて歌の情感を余すことなく表現出来る歌手を私は知りません。

 

「ゴスペル」を愛し、人を愛したエルヴィスの「好きにならずにいられない」を聴いてみて下さい。

「監獄ロック」や「ハートブレイク・ホテル」とは一味違う温かい世界が広がっています。