危ない「ダブルスタンダード」
6日、アメリカのトランプ大統領は、中国がアメリカ企業の知的財産を侵害しているとして、中国からの輸入品(3.8兆円相当)に対して25%の関税をかける制裁措置を発動しました。
これに対して中国も、報復に出る方針で米中の摩擦がエスカレートしていく懸念があります。
中国は、「関税のこん棒を振り回す貿易覇権主義は時代に逆行する」と米国に対する批判を強めているようです。
これを聞いて私は、今までと違い中国の言い分に理が有るような気がしてなりませんでした。
トランプ大統領はパリ協定(気候変動枠組条約)やTPP(環太平洋パートナーシップ)、イラン核合意といった国際的な枠組みからの離脱を続けて表明しています。
加えて世界貿易機関(WTO)からの離脱も示唆し、米国独自の政策をとろうとしています。
特に、多国間協議よりも二国間協議を重視するという米国の姿勢は、時代に逆行しているようにも思えます。
二国間だけの協議では、国力の弱い国がどうしても不利になります。結果的にパワーに押し切られ、米国の有利な協定となる不安が拭い切れません。
今日までの歴史は、世界平和に向け、より広い(より多くの国)場での共通のルールを求め協議を模索して来たと言っても過言ではありません。
国際連合(未だ不完全ですが)なんかは、その最たる例といえます。
世界基準の協定が無くなり、二国間協定が増えるというのは、正に「ダブルスタンダード」の最たるものです。
「歴史が後戻りしている」、そんな不安を覚えてしまいます。
これら全てが、トランプ大統領の中間選挙対策、人気取りだとしたら余りにも失うものが多いような気がしてなりません。
歴史を紐とくと、「世界のスタンダード」を求め、どれだけ多くの人が命をかけて来たことでしょうか!
一国の国益のために、どれだけ多くの人が命を落とした事でしょうか!