堺市の変人

堺市から情報を発信する変人親父です

気骨の歴史学者

本屋さんで、それとなく並んでいる書籍を眺めていると「古事記及び日本書紀の研究」(津田左右吉著)が目に入りました。

帯には「古代史を科学的に捉えた不朽の歴史書、ついに新書化!」という文字が!

早々に手にとってレジに並んでしまいました。

 

私は、日本の古代史には特に惹かれるといった事はありません。

内容も今の新書のように「面白可笑しく」書かれていませんので、私には退屈そのものです。

 

記憶の中に「津田事件」という文字が残っていました。

日本が、日清・日露・太平洋戦争へと突き進んでいく時期、皇国史観が当たり前の世相の中で、津田が日本書記における聖徳太子関連記事について実在性等に批判的な考察をしたことにより、「皇室の尊厳を冒涜した」として書物は発禁処分、津田と岩波書店は出版法違反で有罪になったという事件です。

 

書籍の中身は、私には読み通す自信は全く有りませんが、真実を曲げずに真実を貫き通した津田の姿勢に興味を持ち買ってしまいました。

ついつい心が折れそうな時の「お守り」といったところです。

 

美濃部達吉の「天皇機関説」や有名なガリレオの「それでも地球はまわっている」といったように、昔は投獄の危険も顧みず正しい主張(真実)を訴え続けた気骨のある人物が多く現れ新しい時代を作っていったような気がします。

 

今、巷で騒がれている「森友・加計問題」を見ていると、役人(官僚)の組織や上司に対する忠誠心には驚かされます。

残念な事は、真実を語らずに盲目的に組織や上司を守る事に徹しているように見えてしまう事です。

誤った忠誠心は国を滅ぼします!

昔は、政治家が誤った判断を行いそうな時など、膝詰めで官僚が大臣を説得した事もあったようです。

 

気骨の歴史家、津田左右吉に学ぶ事が多いようです!