堺市の変人

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時代に遅れ続ける老舗

帆布のカバンで有名な「一澤帆布」、100年続く老舗でご存じの方も多いと思います。

お家騒動もありブランドが無くなる?と一時心配されたようですが、今では「一澤信三郎帆布」として変わらぬ耐久性と帆布を活かしたシンプルなデザインに加え、色もカラフルになり昔と変わらぬ根強い人気を保っています。

 

今では、海外からの観光客がわざわざ足を運ぶ程、知名度が上がっているようです。

10年、20年、30年と修理しながら使い続けられる帆布のカバンは、ちょっと他には無いように思えます。

 

実は「一澤信三郎帆布」、経営方針が大変「時代遅れ!」、定年無し、勤務時間も職人の都合に合わせる、店は一店舗のみ、電話での注文は受けるがネット販売なし、テンポを増やす計画は全く無し・・・

何から何まで流行りのビジネスモデルと正反対です。

しかし、アメリカのビジネススクールの学生たちが勉強に訪れるという一風変わったお店です。

 

ビジネススクールの学生から「ビジネスを拡大させる予定は無いのですか?例えばネット販売や海外展開は?」という質問に、信三郎は「全く考えていない、拡大したら流通経費なんかが掛かって良いものが作れなくなる」ときっぱり言い切っていたのには驚きました。

ビジネススクールの教授は「拡大しなくても成功出来る」「時代遅れと時代の先を行っている両面がある」「まさに永遠のビジネスです」と感想を述べていますが、利益率や額を追い求めるアメリカ典型的なビジネスモデルを学ぶ学生に違う考え方があるという事を知って欲しかったのでしょう。

 

今の世の中、お金を増やす事だけが優先される風潮がありますが、真に良い物を作るという新年を持ったお店が日本に有った事が誇らしい気持ちになりました。

 

テレビを観ていた家内が「京都に行ったら一つ買ってもいいな」を感心していました。

私も一つ買って貰えるかな?