堺市の変人

堺市から情報を発信する変人親父です

映画「傷だらけの栄光」

「傷だらけの栄光」は、1940年代にアメリカのリングを沸かせたボクサー「ロッキー・グラジアノ」を題材にした映画ですが、監督がロバート・ワイズ、主演ポール・ニューマンと豪華です。

ウエスト・サイド物語」や「サウンド・オブ・ミュージック」、「砲艦サンパブロ」と後期の作品は名作が並んでいるロバート・ワイズと、「ハスラー」「タワーリング・インフェルノ」でお馴染みのポール・ニューマンのコンビです。

 

白黒映画ですが、カラーには無い映像の深みと情感を感じさせます。

何時も思う事ですが、白黒は人の心や町の情勢をカラー以上に表現し得るようです。

深みはカラーに勝ります。黒澤明の「七人の侍」も白黒ですが、カラーの「七人の侍」なんか、私には考えられません。

 

この映画、当初の主演は「理由なき反抗」で有名なジェームス・ディーンに決まっていたようですが、交通事故で他界したため、代わってポール・ニューマンとなったようです。

名優ジェームス・ディーンのグラジアノ役が実現していたら、この映画の印象はどう変わっていたか興味は尽きませんが、ニューマンのグラジアノ役も演技を越えて役に成り切っている様は、さすがアカデミー俳優です。

ほんの小さな所作も光っていました。並みの俳優では決して表現し得ないものです!

 

家族愛、親子愛が上手く表現されていますが、特にチャンピオンになる事を父に約束する場面なんかは、あまり目立ちませんが「グッ」と来るものがありました。(私も歳です)

 

最近の映画は、大作になればなる程「CG(コンピューター・グラフィック)」が使われますが、CGの無い時代ですので映っている映像が現実からかけ離れるという事はありません。

フィルムですから、デジタルのように自由に編集する事も出来ません。

一画一画を丁寧に撮っているのが伝わって来ます。

 

60年以上前の作品ですが、決して今の作品に劣っていないのには驚かされます。

古い白黒映画を観て悦に入っているオッサンでした。