堺市の変人

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あまり進まない「コンパクトシティー」

4月21日の日本経済新聞に「コンパクトシティーに逆行」という記事が出ていました。

既に人口減少が始まり、2065年にはピーク時に1億2,808万人あった人口が8,808万人まで減少すると国立社会保障・人口問題研究所は試算しています。

実に31%の減少になります。

 

おおざっぱに言って、国や地方の税収も3割近く減少していく事も予想されますので、国土交通省は、人口が減るのに生活拠点が今のまま広く拡散していると財政に大きな負担となる為、都市密度を高める「立地適正計画」を策定し住居や都市機能誘導地域への集中化を進めるように各自治体に要請しています。

 

既に堺市でも平成21年5月に策定された「第2次堺市環境基本計画」にコンパクトシティをめざした総合的な取り組みを検討するとし、①土地利用規制・誘導による適正な機能配置、②公共施設・集客施設等立地の見直し、③未利用遊休地の活用が謳われていますが、他の自治体同様に一向にインフラ負担軽減が進んでいないように思えます。

 

京都大学の教授も誘導地以外の開発について「勧告など使える手をもっと使うべきだ」と述べると共に「誘導地域外の新規開発地区への行政サービスを後回しにするくらいの姿勢を見せなければ、むやみな郊外開発は止まらない」と警鐘を鳴らしています。

 

民間企業が誘導地域外を開発する場合、計画変更を求める等の強制的な規制が難しい事は十分に予想出来ますが、人口減少は待った無しで現実の問題となっています。

自治体の取り組みが後手に回れば、夕張市のような財政破綻といった事態も絵空事では無くなります。

 

何がなんでも「コンパクトシティー」というつもりはありませんが、人口が減り、税収が大きく減少する時代に向けてもう少し真剣に論議してもらいたいものです。

箱物を造って人口流入を図るといった時代遅れの施策は通用しません。

今、真剣に論議を尽くし、経験した事のない人口減少時代の設計図を早急に作るべきです。

これからが行政と政治の本当の力が試される時なのではないでしょうか?