食べました「こうのす25号」
「鴻巣(こうのす)25号」は、日本の小麦と外国の小麦を掛けあわせて作られたパンに向く硬質麦です。
この品種は、80年以上前に作られた小麦の品種ですが収穫性や栽培技術が未解明・未解決のまま長い間日の目を見なかったようです。
今日流通している食べ易さを追求した小麦と違い、品種改良前の古い品種といった感じですので、使っているパン屋さんはほとんど無いようです。
以前から新しい小麦粉が入りましたと聞いていたのですが、なかなか行く機会が無く延び延びになっていました。
今回、予約して焼いて頂きました。
それも全粒粉100%、石臼の粗引き「鴻巣25号」です。
全粒粉が少しでも入っていれば「全粒粉パン」と表示できるようですが、正真正銘の100%です。(粗い分パンが膨らみにくいようです)
ハード系の丸っこいパンですが、350グラム600円、高級食パン並みの値段です。
小麦粉そのものが一般的には流通していませんので、この値段でも採算度外視らしいです。
早速、トースターで焼いてみました。
ワイルドな奴ですから、食パンのようにこんがりと焼き目が付く事はありません。
軽く焼いて、半分にバター、もう半分は何も付けずに食べてみました。
ふんわり感、もっちり感なんて全くありません!
しかし、小麦の味がそのまま伝わって来るように思えます。
ヨーロッパでは、バケットは何も付けずにそのまま食べるのが一般的らしいですが、このパンも何も付けなくても小麦の味を堪能できるようです。(小麦の微妙な味わいを表現するのは難しいですが、強いて言えば大地を感じられる存在感といったところです)
このパン、味がしっかりしていますのでジャムやチーズとのコラボを楽しむのも良いかも知れません。
めったに店頭に出る事が無いですが、小麦粉が入荷している時に前もって予約すれば焼いて頂けます。お店は有馬の「イーゲル」、天然酵母のパン屋さんです。
ハード系のパンが好きな方にはお薦めのパンです。