堺市の変人

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映画「エルダ―兄弟」

1965年に上映された「エルダ―兄弟」、監督ヘンリー・ハサウェイ、主演ジョン・ウェインリオ・ブラボーでお馴染みのディーン・マーチンというと「ニコリ」としてしまう人も多いと思います。(それなりの歳の西部劇ファンに限られるかもしれませんが)

 

色んなジャンルの映画を撮影しているヘンリー・ハサウェイは、大作「西部開拓史」でも監督を務めていますが、映画の職人という感があります。

ジョン・ウェインは、古き良き時代のアメリカを代表する俳優ですが、その物腰は彼独特のものです。

 

同世代の理知的で紳士的な印象のヘンリー・フォンダとは違い、ジョン・ウェインは力強く男性的、正にアメリカの強く頼れるお父さんというイメージです。

 

この二人は、アメリカ映画の大作中の大作「西部開拓史」と「史上最大の作戦」に共に出演し見事な演技を見せていたのが忘れられません。

 

「エルダ―兄弟」は、典型的な勧善懲悪の西部劇です。そこに兄弟愛が織り重ねられ物語が進んで行きます。

最後には、水戸黄門のごとく悪人が倒されるという単純明快な映画です。インディアン(ネイチブアメリカン)も登場しませんので、人権で悩む必要もありませんので気が楽です。

 

1965年に政策された映画ですが、この頃、アメリカの人々は「正義は勝つ」「世の中に正義が存在する」といった思いが常識として心の中に有った時代だったと思わせる映画です。

 

未だ「人種問題」や「無差別な銃の乱射」、「薬物の蔓延」「貧富の格差拡大」・・・

何かと嫌な話が耳に飛び込んで来ます。

 

50年以上を経て科学技術が数段進歩しているはずの現代ですが、どれだけの人が「正義」が実行されると信じているか疑問に感じる事があります。

強い者が勝ち弱い者が負ける?そこに正義が無ければ社会は荒れ、人心はすさんで行きます。

 

日本でも、色んな問題について「どうせ世の中はそういうものさ」と言った言葉を聞くことがありますが、人々が諦めたその時に、世の中の進歩が止まってしまうような気がしてなりません!

私も「水戸黄門」の精神を少しでも持ち続けたいと思います。