堺市の変人

堺市から情報を発信する変人親父です

飼い主を盾にする「日本犬」

「日本犬」「柴犬」と聞けばほとんどの人が「忠犬ハチ公」が頭に浮かんできます。「飼い主に忠実」とか「一生一主」とか、飼い主のために命を捧げることさえも厭わない犬というのが「日本犬」のイメージではないでしょうか?

しかし、どんなものにも例外というのはあるもので、我が家の凡犬も例外の一匹のようです。

 

我が家はマンションなので散歩に行く時にエレベーターに乗らなくてはなりません。

ドアを出て、まず廊下を真っ直ぐ突き当りまで歩いて、右に曲がった所にエレベーターホールがあります。

凡犬はドアを出るといそいそと家内の前を歩きます。(本当は犬を前に歩かせてはいけないのですが、家内は何度言っても犬の好きなように歩かせます)

そして、曲がり角の近くに来たとたん歩く速度を落として家内の横に並び、曲がり角では完全に家内の後からついて行くというのが何時ものパターンです。

 

廊下の柵(塀)は犬にとっては見上げる高さ、曲がり角では向こうに何があるのか犬には全く見えません。

曲がり角の先が見えない不安からか凡犬は曲がり角で決して前に出ようとはせず、人間を先に行かせて自分の身を守っているようにみえます。(毎回ですので確信犯です)

 

以前にも宅配便の配達員の方が来られた時、たまたま家内と一緒に外に出てきた凡犬が配達員の方に「ワン ワン」と吠えました。

めったに吠えることのない凡犬、とても珍しい事です。家内は「いくらビビりと言えどもこやつも犬の端くれ、飼い主を守ろうという気持ちの表れか」と思ったそうですが、よく見てみると家内の後ろに隠れながら人を盾にして吠えていたのだそうです。

 

他にも色々盾にされた事があるようで、家内は「飼い主を犠牲にして身を守る柴犬なんか聞いたことないわ」と怒っていました。

それでも「可愛い 可愛い」「日本一や」と言って甘やかしています。

 

家内はよく「こんな子に育てた私が悪いと思わんなん仕方がない」と義母に言われていますが、こんな凡犬に育てあげたのは家内のようです。

そう考えると凡犬も少し不憫にみえてきます。

 

鋭い目つきで真剣な顔をするのは、おやつやフードを貰う時だけです!

究極の劣勢遺伝を感じさせる凡犬を見ていると秋田犬や柴犬、紀州犬・・・飼い主に忠実で道を究めた武士のような凛々しい日本犬にチョッピリ憧れてしまいます。

 

今も凡犬は、暖房の効いた部屋の座布団で寝ています。

名前を呼んでも聞こえない振り!

頭を撫でても態勢に変化なし!

食い物の気配が無いと動こうとしません!

それでも日本犬か!

 

「柴犬」と暮らしながら何時も「日本犬」に憧れているオッサンです。