「大山崎山荘美術館」
京都府の大山崎山荘美術館は、小さな落ち着きのある美術館といった印象です。
特にモネの「睡蓮」は、この美術館を代表する展示品でもあり、「睡蓮」を目当てに来館する人も多いようです。
街(都市)の中にある美術館は、現代的な建物の中に多くの美術品が納められていますが、この美術館は違います。
電車を降りて30分位歩いてという場所ですが、周りに緑が多く隠れ家的な風情が魅力です。
実業家の加賀正太郎が昭和初期に建物や庭園・道路・家具を含め全て自分の好みに合わせた山荘風の美術館を開館したので、全てが英国風にしっかりとセレクトされ落ち着きがあります。
以前訪れた時にも、木のフロアーや階段を歩くだけで懐古趣味をかきたてられたのを覚えています。
美術館のコレクションの中核は、アサヒビール創業者山本為三郎のコレクションですから、これもセレクト物です。
民芸運動に賛同していましたので、河井寛次郎、バーナード・リーチ、濱田庄司、富本憲吉、棟方志功、芹沢銈介等、民芸運動を支えた作家の作品が所蔵されています。
私も「河井寛次郎展」に惹かれて行ってみたのですが、さすがに河井の作品は力強く大胆で、その迫力は際立っていました。(でも一般の家庭で使えるような代物ではありません)
加えて、山荘で緑の景色を眺めながらの「アサヒの生」は絶品でした!
有名なクロード・モネの「睡蓮」、安藤忠雄設計の地中館に常設展示されています。
さすがに「睡蓮」の前には人だかりが出来ており、ゆっくり止まって観賞する事は出来ませんでしたが、その隣に展示されていた「日本風の太鼓橋」はゆっくり観る事が出来ました。
絵の事は全く分かりませんので「睡蓮」を見た時には、綺麗な絵だなといった程度の印象でしたが、「日本風の太鼓橋」の前では歩みが止まってしまいました。
絵具がうごめいているようで、否応なしに迫力が伝わって来ます。
正直言って「睡蓮」を観るより「日本風の太鼓橋」を観て、初めてモネは凄いなと思ってしまいました。
改めて、ネットで検索してみましたが、やはりこの「迫力」は美術館に行かなければ味わえないようです。
私にとっては、油絵の凄さを感じた貴重な体験でした。